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〈熟肉の汁〉
【鬼畜 官能小説】

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〈快楽の源泉〉-3

{おはよう奥さん。旦那さん、会社に行っちゃったねえ?}

「ッ……!!!」


恭子は携帯電話を手にしたまま、窓から外を見た……今まさに耕二と彩矢の乗った車が駐車場を出て、視界から消えた……あの男は、このアパートの何処からか、耕二が消えるのを見ているのだ……。


{ねえ、おはようのキスしよ?奥さんの綺麗な髪を掻き上げて、いっぱい舌を絡めてあげるからさあ?}


朝っぱらから欲情している声を聞かされて、さすがの恭子の身体にも悪寒が走った……だが、下腹部だけは卑しくも反応し、ポッと種火を点させてしまった……。


「な…なに言ってるの?馬鹿じゃないの?」


恭子は軽口を叩きながらも窓の外を見る。
それは、この男からの誘いから逃れられる唯一の“手段”を探しての事だった。


(……い…居ない……何処にも居ない…ッ)


いつもなら駐車場の傍の道路に停まっているミニバンが、今日に限って居ない……あの脅迫者達の威を借りれば、天然パーマの男は怯んで自分を諦めるかもしれないという目論見は、虚しくも外れた……。


{フフフ……そう言ってても、奥さんは僕の言い成りになるもんねえ?マゾなクセにツンデレだもんね、奥さんはさあ?僕より年上だけど、そんなトコが可愛いんだよね}

「とッ!?年上とか煩いわね!少しは口の利き方考えなさいよ!」


相変わらず失礼な男は、鼻でせせら笑って恭子に想いを伝える。
逃げも隠れも出来ない事は既に知っているのだから、それ故の増長だ。






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