『Twins&Lovers』-31
「イッた？」
「…………」
こくり、とひとみは言葉なく答えた。
「………はは、すごいことになってるよ」
ひとみの股間から抜いた勇太郎の手は、透明なゼリーのつぼにでも突っ込んだように、粘液性の高い液体にまみれている。そこから立ちのぼる女の香りは、間違いなくひとみが出した匂いだ。
ひとみは、潤む目そのままに、勇太郎の濡れた手を掴むと、舌で舐め始めた。
「ひと………」
ちろちろと小さく動くひとみの舌。時折、指を口に含み口内で刺激する。こんな行為にさえ、勇太郎は劣情を感じる。
「………も」
「？」
「ゆうたろうも……きもちよく……なって……」
そういうと、ひとみは膝をつく。その顔が、ちょうど、勇太郎の張った股間のところに。
ひとみは、ズボン越しにその張りを撫でた。甘く痺れる感覚が、勇太郎の下半身を襲う。
「きもちよく……してあげるから……」
じじ、とジッパーを下ろす音。勇太郎の武器を守る最初の封印が解かれたのだ。
「あ」
ひとみが、嬉しそうな声をあげた。
「ゆうたろうも……濡れてるよ……」
張りの頂点は、うっすらと丸いシミが出来ていた。ガウパーの成せる業である。
「ひとみが、えっちだからだよ……」
勇太郎は、股間で揺れるひとみの髪を撫でた。この質感、勇太郎はとても好きだ。
「ン……うれし……」
ひとみは、トランクスをまさぐり、ついに、勇太郎の武器にかけられた最後の封印をとく。布一枚の封印を解かれた怒張は、勇太郎の劣情を一身に孕んで、天をつかんばかりの勢いで、びよんとまろびでた。
「わぁ………」
感嘆の声はひとみのもの。そして、雄雄しいまでに張り詰めたその男性器に、そ、と、指を触れた。
「くっ……」
勇太郎の口から漏れる吐息。愛しい人に、自分の陰茎を愛してもらう喜びはなににも変えがたい。
「あ、ひとみ……」
ぬるりとした感覚が、鈴口を襲った。ひとみが、舌を使って愛撫を始めたのだ。先端から滲み出るガウパーを拭うように、その舌が亀頭を清めていく。
「ひぁっ………」
「んふ、かわいいこえ……」
「ふ、不覚……」
君は、いつの時代の人だ。
「………〜〜〜」
勇太郎は、歯を食いしばった。至上の悦楽が、下半身を這いずり回っている。ひとみの愛らしい舌が、自分の欲望の穢れに何のためらいもなく触れている。自分を、愛してくれている。
それだけで、勇太郎は上り詰めそうだ。
「わ、待った！」
勇太郎は、ひとみの頭を抱えた。なんと彼女は膨張しきった亀頭を、口に含もうとしたのだ。きっと、それをされたら、数秒と持たず勇太郎は全てを吐き出してしまうだろう。
男は、一度イクと切り替えが難しい。しかも、昨晩３回も銃弾を放った武器だ。装填には、ちと時間がかかる。
「〜〜〜」
行為を中断されて、ひとみは、不満顔だ。
「ひとみの中に、入りたいから」
勇太郎は、自分自身に触っていたものだというのもかまわず、拗ねたひとみにキスをする。それだけで、ひとみの機嫌は戻った。
「ン……、こ、こう？」
ひとみは、机に手をつくと、なるべく腰を浮かせて、臀部を勇太郎に向けた。いわゆる、後背位の体制である。固い床にひとみを寝かせたくはなかったので、この体制と相成ったわけだが…。
（これ、すごい眺めだ…）
ひとみが、全部見えるのだ。そこにある、生命の泉と不浄の地。その全てが、勇太郎の眼下にあった。
勇太郎は、何かに誘われるように、瑞々しいひとみの臀部に手をかける。そして、いきり立つ己が怒張を、ひとみの聖地にあてがった。