投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

『Twins&Lovers』
【学園物 官能小説】

『Twins&Lovers』の最初へ 『Twins&Lovers』 29 『Twins&Lovers』 31 『Twins&Lovers』の最後へ

『Twins&Lovers』-30

 プレートには、「護身術同好会」の文字。城南学園の南校舎の一角にあるそれは、ひとみが所属する同好会の部室だ。
 特別な大会も何も参加していない同好会だけに、夏期休暇中の活動は合宿があるのみ。従って、ひとみもあわせて5人いる部員は、今は誰も居ない。
「うわっ! って、ひとみ!」
 中に入って、後ろ手に鍵を閉めたかと思うと、ひとみは勇太郎の胸倉にしがみついてきた。そのあまりの猪突に、勇太郎は勢いを支えきれず、腰を机にぶつけてしまう。
「ちょ、ちょ―――ンム!」
 勇太郎の言葉は、ひとみの唇によって遮られた。
 その舌を、絡めて、吸い出して、なぶる。息をつくことも許さないひとみの情熱的なキスが、ますます勇太郎を混乱させる。
 勇太郎は、呼吸を求めてもがいた。そんな動きを、頭に回した腕で封じるひとみ。そして、あらんかぎりの舌戯で、勇太郎の口腔内を責め立てる。
「ン……ンン……〜〜!!」
 どのぐらい、口で繋がっていただろう。ようやく離れてくれたひとみの唾液で、勇太郎の唇はべとべとになっていた。
「ね、ねぇ……どうしたの?」
「………したく…なっちゃった……」
 真っ赤な顔で呟くひとみ。
ふいに、スカートの中に右手を入れる。そして、勇太郎の前にかざしたその指は、光沢を持ってきらめいていた。
「こんなに、濡れちゃったの……勇太郎の……声……聞いてたら……こんなに……」
 指を動かすと、にたにたと音を立てる。指の間に銀の糸をひくそれは、あまりに扇情的な光景だ。
「ひとみ……」
「……耳……弱いのに……すぐ、近くで……だから、こんなふうに、なっちゃったのよ……」
 ひとみは、勇太郎の手を掴むと、それをスカートの中にもぐらせた。誘導された指先が、ひとみの股間に添えられる。そこは、すでに、泉のごとく愛蜜をたたえて彼を待っていた。
「ゆうたろうのこと、いっぱい考えてて……こうなっちゃったんだよ……」
 その手に擦りつけるように、腰をうごめかすひとみ。それは、雌猫のマーキングを思わせる行為だ。
「ね……キライ? こんな、いやらしいコ……いや?」
 勇太郎の手に、ぬるぬる滑るような感覚が。それが、ひとみの濡れに濡れた性器の感覚だと知っているだけに、勇太郎はいやがうえにも高まっていく。
 男の場合は、性欲の高まりはダイレクトにわかる。勇太郎の股間は、はっきりそれとわかってしまうほど大きく膨らんでいた。
「助平なのは、僕も同じだから……」
 勇太郎は、空いた手でひとみの肩を抱くと、その唇にむしゃぶりついた。待ちかねていたように、舌を動かすひとみ。激しい情誼が、再び口で交わされる。
「ンム………ンむぅ……ンン……ンぐ…」
 お互いの空気を、お互いが奪うように吸って。お互いの唾液を貪るように嚥下して。唇を吸う、舌を噛む、口内に侵入する。触れられる場所を、持てる技術の全てで犯しあう。
 唇が離れても、その口戯の激しさを物語る唾液の掛け橋が、いつまでも二人にまとわりついていた。
「あっ! ひゃ、ひゃん!!」
 勇太郎は、既に触れていた右手を蠢かした。その動きは、発情しきって熱のこもるひとみの内股を蹂躙する。
「はげし……あうっ!……あんっ! あんっ! あぁん!」
 ぐぶ、ぐぶ、ぐぶ、と布地を巻き込んで奏でる卑猥な音。それが、一層の快楽を両者に生む。
「イイよぅ!………イイの、イイの、イイのおっ!!……すっごく…イイ!!」
 その旋律に乗って、勇太郎は更なる愛撫を、そして、ひとみは嬌声を。その重奏は、限りなく淫靡で猥褻(わいせつ)な、二人にしか出来ないような演奏だ。
「あ、ああぁ………ダメッ―――あはあぁぁぁっっ!!!」
 クライマックスは、ひとみの独唱。反り返った咽喉から発せられる、絶頂を告げるソプラノが部室に響いた。
「――――――っっ」
 そのまま、がくり、と勇太郎にもたれかかる。そして、肩口で荒い息をつくひとみ。


『Twins&Lovers』の最初へ 『Twins&Lovers』 29 『Twins&Lovers』 31 『Twins&Lovers』の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前