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『Twins&Lovers』
【学園物 官能小説】

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『Twins&Lovers』-29

「ゆうたろ〜」
 ひとみは、助けを求める。最初のページでグロッキーだ。
「ひとみの、数学みたいにはいかないけど……」
 古典はわりと得意な方だ。文章家の血をひく勇太郎だけに、文章読解はどんとこいである。それでも、言うほど好成績でないのは、古典の文法に弱いからだが。
「これは…こんな感じで……こんな意味ぐらいかな……」
 文章の大意さえ理解できれば、古典はそんなに難しい科目ではない。勇太郎は、理解できる範囲内で文章を読解してやり、それをもとにひとみは解答を重ねていった。
(あ……)
 勇太郎の肩が少しだけ触れていた。数学の時は、教えるのに懸命だったので意識しなかったが、お互いにかなり密着している。
「うわ、これは……え〜と……なんだろ……」
 急に、勇太郎の声が甘く聞こえてくる。体中に、その甘い声が響きとなって駆け巡る。
「うわっと……」
 勇太郎が、問題でも指そうとしたのか、大きく動かした手先で消しゴムを飛ばした。無意識に、目の前に転がってきたそれに手を伸ばしたひとみだったが、同じ動きをした勇太郎の手にまともに触れてしまう。
(!!)
 刹那、きゅ――――とひとみの胸は高鳴った。
 動悸が、激しくなる。今も触れている勇太郎の肩から、甘い痺れが伝わってくる。それが、だんだんと熱を帯びてくる。
(ちょ、ちょっと……)
 体中の熱が、血管を駆け巡り、そのままひとみの内腿に降りる。その中心が、真夏の日を浴びた鉄板に落ちた氷のようにとろけてくる。
 じわ……。
 はっきりと、ひとみは、“濡れ”を感じた。
「ひとみ、わかった?」
 横を向いた勇太郎。ふ、と、その息が耳にあたる。
「ひゃっ!」
 思わず、声をあげてしまった。もう、そこら中が性感帯みたいなものだ。
「ご、ごめん」
「い、いいの」
 これはまずい。発情している。今日は抑えようとしていた欲望が、めらめら炎をあげて燃え始めている。
(あ〜ん……)
 徐々にではあるが、確実に零れてくる花の蜜。それが、ショーツに沁みていくのがよくわかる。座る位置を替えるだけで、にち、と音が鳴るような感覚がして、それがまた快楽を生み出すのだから、困ったものである。
木の洞を見て、欲情するのはひょっとして自分のほうなのではないだろうか?
(ううう……ゆうたろ〜)
 今度は、全く別の意味で勇太郎に助けを求めるひとみ。

 ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ―――――。

 最早、ひとみの股間は、箍(たが)を外した用水路みたいなもの。後から後から溢れ出る愛液は、ひょっとしたらスカートをも汚しているかもしれない。
(昨日も、勇太郎と3回して……朝だって、オナニーしたのに……)
 際限のない己の性欲に、呆れてしまう。
勇太郎に、キスしたい。勇太郎に、触ってもらいたい。勇太郎に、胎内(なか)に入ってもらいたい。
―――――勇太郎に、触れたい。
ひとみの脳内は、勇太郎アドレナリンで満杯だ。
(もう、ダメッ!!)
 がたり、とひとみは立ち上がった。
「勇太郎!」
「は、はい!?」
 面食らった顔の勇太郎。ひとみは、そんな勇太郎の腕をむんずと掴む。
「つきあって!」
 そういうと、疑問符と混乱を顔に貼り付けた勇太郎を、それこそ浚うようにして図書館を出て行った。


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