16.-1
お湯に浸かりながら、後ろから背中を抱かれ、次長の胸に身体を預ける。部屋のお風呂も露天になっており、目隠しの上から夕方の空が見えている。
「静かですね…。」
「いいところだろ?」
次長が後ろから私の肩に顎を乗せ、私の乳首を優しくつまむ。
「はい、ありがとうございます…。」
「彼氏には、黙って来たの?」
「いえ…後輩の女の子と3人で、って。…それに、彼も出張で…。」
「悪いね、気を遣わせて。」
「でも、嬉しかったです…誘って頂いて…。」
「嫌々じゃないんだ。」
「嫌々なんて…止められないんです、私、次長に誘われると…彼には悪いと思うんですけど…。」
「ま、結婚してるわけじゃ、ないしね。彼のことは好き?」
「…だと、思います…。」
「幸せ者だな、志織に好かれて。いい奴なんだね、彼氏。」
「…ええ…。」
「俺達も、相性いいよな。」
「相性…?」
「身体の。」
「私、これまでこんなに求められたこと、ないです…。」
「何度もしたくなる、志織といると…。」
「私も…。」
「いろんなことを。」
「衝撃的過ぎです…。」
「女性は若いうちに、年上の男にどろどろに可愛がられる経験があった方がいいよ。」
「…身体も心も、溶け合ってるような気がします…次長とセックスしてると…ほんとうのセックス、みたいな…。」
「打算も計算もない、純粋なセックス。お互いの身体をむさぼり合うような。」
「不純な関係の純粋なセックス、ですね…。」
「うまいこと言うね。そういう経験のない女性は、可哀想だよ。」
「次長、最初私を誘って下さったのって、たまたまですか…?」
「たまたまじゃないよ。」
「じゃ、どうして…?」
「んー…俺と似たオーラを感じたから…?…志織に…」
(…似たオーラ…)
後ろから次長に唇を重ねられると、私は自分から舌を差し出す。