第19話-2
トイレのドアが閉まる音を合図に遂にパンティの中に指が入ってきた。
「奥さん・・・平山くんが目の前にいるのに、感じていたね・・・」
槇村は優しい上司の仮面を外し抑えていた本性を表した。
「そ、そんな事・・・ありません・・・アンッ・・・」
直にクリを撫でられ思わず甘い声を上げてしまった。
「中も凄い事になってるよ・・・。ほら・・・」
クチュクチュ・・・クチュクチュ・・・
と、わざと音を立てるように指を動かし美香に聞かせる。
「アンッ・・・もうやめて下さい・・・浩二がもうすぐ戻って来ます・・・」
「私は別に構わんよ・・・奥さんの本当の姿、本気で感じる姿を彼に見せるのも
悪くないと思うがね・・・」
耳元で囁かれた美香は一瞬その場面を想像し罪の意識に駆られるも、すぐに興奮へと移り、キュッと槇村の指を締め付けてしまっていた。
「こんな言葉で興奮するなんて・・・ふふっ。冗談ですよ・・・でも、こんなにやらしい汁が」
突如引き抜いた指を目の前に差し出すとゆっくりと開き愛液で糸を引いている所を見せつけた。
「あの・・・本当に許してください・・・こんな所浩二に・・・見られたら」
もし見られたら、自分は一体どうなってしまうのか。
逃げる事もできず、愛する夫の目の前で快感を与えられ今までにない最大の背徳感と罪悪感が更なる興奮へと繋がり、きっと理性を喪い醜態を晒してしまうに違いない。
再びそんな事を想像し興奮してしまう自分が恐ろしくてたまらなかった。
「夜はまだまだ長い。奥さんがちゃんと楽しませてくれたら・・・彼にバレるような真似はしませんよ」
「私で出来ることならしますから。お、お願いします・・・」
見られて興奮すると言ってもあくまで想像の範囲でしかなかった、
現実に見られでもしたら美香は浩二を失い、槇村は今の立場を失う事になる。
それはお互い理解していた。
その時、トイレから水が流れる音が聞こえた。
「じゃあ、奥さんに出来ること・・・してもらいますよ。今からトイレに行って、履いているパンティを脱いできて下さい。脱いだパンティは、便座の上に。
その後、私がトイレに行って一時的に預かります。
今日帰るまでに私を満足されることが出来たら返します。いいですね?」
断れば浩二が戻ってきたあと何をされるかわからない。
美香はドアの開く音が聞こえたのと同時にトイレへと向かった。
「何だ、美香もトイレか?」
「う、うん。いつもより飲んでるからかな・・・」
槇村は一人きりになったこの一瞬を逃さなかった。
二人の会話を聞きながら急いでポケットからカプセルを取り出し、浩二のグラスの中へと落とした。
「ささ、平山くん。まだ飲みたりないだろう」
半分ほど入っていたグラスに新たに注ぎ、何も知らない浩二が飲み干すのを
怪しい目で見守っていた。
一方、もう一人何も知らない美香は用をたす為でなくただパンティを脱ぐ為に
トイレに居た。
ゆっくりと腰に手をかけ下ろしていく。
片方ずつ足を上げて手に取ると真っ先に裏側の中心を確認した。
そこは縦長に薄っすらとシミを作り、指で抑えて離すと糸を引いていた。
この状況を身体が悦んでいる何よりの証拠だった。
これをこの後槇村が手にする。さらに二人の前でずっとノーパンで居なければならない。
そう考えただけで羞恥に身体は熱くなり、新たな愛液を作り出していた。
それを確かめるように自然と指が下腹部へと近づき、秘部に触れた。
クチュッ・・・
「アンッ・・・こんなに・・・濡れてる・・・」
欲望に負けた指が誰かに操られてるかのように一番感じる秘部の浅い部分を刺激し始める。
クチュクチュクチュクチュ・・・
「アンッ。アンッ・・・ダメ・・・止まらない・・・我慢出来なくなっちゃう・・・」
美香は夫、浩二の上司に目の前で濡れる程感じさせられ、挙句トイレで自慰行為に浸っている。
槇村が帰れば間違いなく浩二に求めてしまうだろう。もし泊まっていったとしても求めてしまうかもしれない。
だが、浩二では満足する事が出来ない。
ならいっその事槇村に・・・
そんな淫らな事を考えてしまう身体になっていた。
「もう・・・私ったら・・・何を考えてるの・・・」
自責の念に駆られ必死の思いでようやく指を引き抜くと、トイレットペーパーで秘部やその回りに付いた愛液を拭き取った。
そろそろ戻らなければ。しかしあの席に居続けると槇村の餌食になるのは明らかだった。
かといって浩二の隣に移るのはあまりにも不自然だ。
とにかく食事が終わるまでは我慢し、その後テレビがあるリビングに移動すればいい。
そこなら例え隣に座っても浩二の死角になることはない。
さすがの槇村も見られていては手出し出来ないはず。
「よし」と美香は計画が上手くいく事を願って気合の一言を発し、便座の蓋を閉め水を流すと、そっと蓋の上にまだ温もりのあるパンティを置き、美香の想像を超える計画を既に進めていた槇村の隣へ戻っていった。
つづく。