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飛べない鳥の飛ばし方
【ファンタジー 官能小説】

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告白-3


「まあ、個人差はありますが、無差別攻撃してきたり誰構わず犯したり、ただ叫びながら走り回ったりですかね」

「あの、どう対処すれば?」

「がんじがらめに拘束して放置、が一般的ですが治まるかどうかはそれこそ個人差があります。発作を起こしたまま発狂して死ぬ民も居ますし、30分程で正気に戻る場合もあります」

 キアノの言葉にリョウツゥはじっくり考える。

「怖い……ですね」

 でもきっと1番怖いのは発作を起こしている本人なのだろう。
 自分の意志とは全く関係ないのだから。

「お薬とかあるんですか?」

「特には無いです。ある程度抑えられる鎮静剤はありますが、麻薬に近いものなので巷では販売されていないのですよ」

 そもそも発作中に薬を飲む事が出来るのか疑問だ。

「ま、あれですよ。彼が発作を起こしたらとにかく「逃げろ」です」

「で、ですね……」

 リョウツゥはぶるっと震えてコクコク頷く。

「しかし、リョウツゥちゃんを射止めた銀の民君に会ってみたいですねぇ」

「ぁ、会った事、ありますよ?」

 リョウツゥはポッと頬を染めた。

「園長に初めてお会いした「始まりの泉」で一緒に居ました」

「ん?んん?あ!!青い狐君ですか!」

「はぃ」

 成る程成る程と頷くキアノの頭の中で嫌な予感が巡った。
 彼もクアトリアは初めてのようだった。
 そして、その頃から城への密偵の侵入が多くなった。
 密偵は「銀の民、男性」で、条件にぴったりはまる。
 そして、何かを掴んだ密偵が植物園で働いているリョウツゥに近づいた……と、考えれば……。

「ぜひ、もう一度お会いしたいです」

 これはもう実際に会って確かめるしかない。
 密偵かどうかも確認したいが、何よりも何かを探る為だけにリョウツゥに近づいたとしたら……カウル=レウム王の権限を使ってでも酷いめに合わせるつもりだ。

「はあ……」

 ニコニコしながら話すキアノにリョウツゥは小首を傾げつつ曖昧な返事をし、ヴェルメは背中から伝わるカウル=レウム王独特の気配に怪訝な顔になった。

ーーーーーーーーーーー

 その後、城に戻ったキアノは、カウル=レウム王として秘書ディアゴに植物園での事を報告する。

「……という訳です」

「という訳、ではないですよ!直ぐにでも彼女とその銀の民を引き離さなければっ!」

 ディアゴは慌てつつもてきぱきとお茶の準備をする。



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