投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

飛べない鳥の飛ばし方
【ファンタジー 官能小説】

飛べない鳥の飛ばし方の最初へ 飛べない鳥の飛ばし方 98 飛べない鳥の飛ばし方 100 飛べない鳥の飛ばし方の最後へ

告白-2


「あの、例の銀の民の青年だな?名前はなんだったか……」

「ジルさんです」

「そう。うん、中々良いと思うぞ?」

 そういえば、うんうんと嬉しそうに頷くヴェルメも、園長のキアノと恋仲だ。

「あの……他民カップルって苦労が多い、ですか?」

 リアル他民カップルが目の前に居るので聞いてみる。

「いや?そうでも無いぞ?」

 ヴェルメの答えに、何処から現れたのかいきなりキアノが割り込んできた。

「いえいえ、多少の苦労はありますよ」

「え、園長?!」

「どうもこんにちは」

 驚くリョウツゥに対して、ヴェルメはあまり驚かずに振り向いた。

「仕事はいいのか?」

「ちょっと逃げてきました」

「またか、秘書君が泣くぞ」

「いやいや、彼は優秀ですから大丈夫ですよ」

 キアノは後ろからヴェルメの腰に腕を回し、嬉しそうに抱きつく。
 居るのがリョウツゥだけだからかもしれないが、人目をはばからない行動にリョウツゥの方が赤くなってしまった。
 それに対してヴェルメは相変わらず涼しい顔だ。

「このように、赤の民は感情の起伏が余り無くてですね、愛情表現を多少大袈裟にしないと伝わらないのですよ」

「あ」

 実践して見せてくれているらしい。

「それに性欲も余り無くて、セックスアピールも過剰にしないとその気になってくれませんので、そういう所は苦労しますよ?」

「成る程です」

 赤の民相手は中々大変そうだ。

「何だ?これは愛情表現だったのか?なついているだけかと思っていた」

 ヴェルメの言葉にキアノはリョウツゥは視線を合わせて「ほらね」と、苦笑する。

「リョウツゥちゃんのお相手はどの民ですか?」

「あ、銀の民……です」

 リョウツゥの答えにキアノは少し表情を曇らせた。

「銀ですか……」

「あの、何か?」

「いえ、銀の民は発作がありますからね……」

 いつ、どのタイミングで起こるか分からない発作が急に起こった時、リョウツゥで対応できるかというと……非常に心配だ。

「む……確かにそれは賛成しかねるな」

 ヴェルメも考えを改め、反対の姿勢をとる。

「発作……ですか?」

 聞いた事はあるが実際に見た事が無いリョウツゥは、いまいちピンとこずに首を傾げた。



飛べない鳥の飛ばし方の最初へ 飛べない鳥の飛ばし方 98 飛べない鳥の飛ばし方 100 飛べない鳥の飛ばし方の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前