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飛べない鳥の飛ばし方
【ファンタジー 官能小説】

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再び-1


(最近、ジルさんと会わないなぁ)

 リョウツゥはジルの部屋のドアを見つめ、そっとため息をついた。
 何日もずっと部屋に籠っていたかと思ったら、夜中に出かけて帰って来ない。
 かと思えば、いつの間にか戻ってきてまた籠る。

(痛い思いしてなきゃ良いけど……)

 それが心配……と、いうか……。

(だ、ダメよ!ジルさんが痛いの忘れる為にスルんだからっ!い、痛くないならそれで良いんだからっ!そ、そんな、残念だなんて思っちゃダメ!……なんだからね)

 リョウツゥは頭の中で喚きたてた後、がっくりと肩を落とす。

(私って……酷い……)

 ジルが痛く無いのは良い事なのに、それを残念だと思ってしまう。
 それぐらい、ジルとの行為は楽しくて気持ち良かった。

(やっぱり……私だけ……だったのかな)

 挿入無しなんてやっぱり生殺しな行為で、ジル的にはもう勘弁なのかもしれない。
 だからジルはリョウツゥに会わないようにしているのかもしれない。
 たとえ、怪我を負っていたとしても。

(これじゃ……本末転倒だわ)

 傷ついて帰るとリョウツゥとの生殺しプレイになるので、それぐらいなら会わない方が良い、となっているとしたらジルに負担をかけている事になる。
 最近では差し入れも食べてくれてない。

(……私の馬鹿……)

 やっぱり、何処に行っても使えない半人前だ。
 リョウツゥは重い気分で、重い身体を引きずりながら植物園へ向かった。


 その頃、ジルは城から植物園に繋がっている秘密通路の、植物園側の出口に潜んでいた。
 この通路を頻繁に使っているカウル=レウム王が、ここでなにをしているのかを突き止めるのが目的。

(……しかし……眠いな)

 スパイディに言われているナビシステムも完成させつつ、空いた時間で潜伏しているので睡眠時間が足りていないのだ。
 しかし、こっちは仕事でなく自分の興味本意でやっている事なので仕方がない。

(あ〜…ダメだ……栄養補給にいこ)

 ジルはズリズリと移動して、館内が見渡せる場所に来た。

(お♪居た居た♪)

 お目当ては可愛い可愛いリョウツゥ。
 今日もピンク色のつなぎを着て、一生懸命土にまみれて働いている。



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