事務員編 井川遙那-4
品定めに入る健太郎。その中で気になる事務員を見つけた。見つけたというより感知したと言った方が正確かもしれない。雰囲気が紗英に似ている、どう見ても三十路超えの人妻っぽい女性だ。健太郎のフェロモンセンサーはやはり敏感であった。
井川遙那という事務員だ。滲み出る色気をビンビンに感じた。顔は紗英とは似ていないが、それでも間違いなく美人だ。むしろ紗英以上だ。しかし体つきなどピタリと紗英と一致する。遙那を紗英に置き換えプレイを楽しむ事にした。
健太郎は立ち上がり遙那のデスクにゆっくりと歩み寄る。近づく程にドキドキしてきた。まるで本当に紗英に歩み寄っているようであった。椅子に座る遙那のスカートから覗く太股がたまらない。全身から色気を出しているような気がする。あまりのフェロモンの多さに頭がクラクラしてきた。あと1メートル。獲物はもう目の前だ。はやる気持ちを抑えてゆっくりと近づいた。
「…!」
健太郎の存在を気付いた瞬間、遙那は慌てたようにパソコンのマウスを操作し画面を変えた。そして健太郎を横目に入力作業をし始めた。その怪しい行動に気付いた健太郎。そこからプレイは始まった。
「井川、今何を見てたんだ?」
年上の女を名前で呼び捨てにするだけでも気分がいい。遙那はドキッとした焦った様子で健太郎に振り返る。
「な、何も見てません…。」
秘密を暴かれたくない不安そうな目がたまらない。
「嘘をつけ井川。今何かを隠したろう?そのファイルを閉じてみなさい。」
「ほ、本当に何も見てないんです…。部長、信じて下さい…。」
素晴らしい演技だ。遙那の演技のうまさに引き込まれる健太郎は本当に部長になった気分になる。
「そのファイルを閉じて確認したら信じてやるよ。貸しなさい。」
健太郎はマウスを握る遙那の右手に手を重ねてクリックしファイルを閉じた。遙那と体が密着し何とも言えないいい匂いにムラっとする。
「あっ…」
ファイルが閉じられた。すると現れたのはインターネットのサイトが画面に映し出された。
「出会い系サイトじゃないか、これは…」
それは人妻専用の出会い系サイトであった。
「あ…」
体を窄めて恥ずかしそうに目を閉じる遙那。健太郎を恥辱の世界へ誘う。
「井川…、お前は人妻でありながらこんなサイトに出入りしてるのか?」
「あ…あの…、違います…。違うんです…」
「何が違うんだ?お前これ…、募集を書き込んでる最中じゃないか?なになに…?私は結婚5年目の35歳の人妻です。最近旦那との夜の生活がありません。こんな寂しい私を満たしてくれる方、誰かいませんか?なるべく絶倫の方希望です。何回もイカせて下さい。私を満たしてくれる変わりに何回でも中出ししていただいて結構です。もう我慢できません。今夜19時に会えて明日の朝まで相手していただける方、連絡下さい。遙那。…なぁ井川、何だこれは?お前は出会い系でいつもこんな事をしているのか?お前は子供もいるだろう。なのにこんな倫に反した事をしているのか?ん?」
慣れている遙那もドキッとするような役にのめり込んでいる健太郎に遙那も本気になる。お互いの迫真の演技に他の客達も注目する。
「ち、違うんです…。いつもこんな事してません。こ、これが初めてなんです…。き、興味本位でついつい書き込んでしまったんです…」
「嘘をつけ井川。もしそうだとしても仕事中にこんなサイトを利用してるのは問題だぞ?分かってるのか井川?」
「…も、申し訳ございません!も、もう二度としません。ですから今回は見逃して下さい!お願いします!」
立ち上がり頭を下げる遙那。そんな遙那に低い声で言った。
「見逃してやるのも可能だ…。可能だが、な…、それなりの態度を見せてもらわないとなぁ?」
「それなりの態度…」
顔を上げた遙那に顔を寄せ耳元で囁く健太郎。
「大人なら…分かるだろ?フフフ」
その陰湿感溢れる低い声に遙那は本気でゾクッとしたのであった。