投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

actress
【その他 官能小説】

actressの最初へ actress 18 actress 20 actressの最後へ

こじらせ処女-3

だけど、そんな努力も付け焼き刃。


俺がどんなに会話を弾ませ、心を開かせたつもりでも。


あまつさえ心を込めて愛撫をしても、イカせても、彼女らを心から満足させることはできなかった。


理由は簡単、俺が女の子らの好きな男ではないからだ。


もちろん、「デビュー作の相手がずん田さんでよかった」なんて嬉しい言葉を頂くこともあるけれど。


だけど、不意に見せる女の子達の寂しい笑顔を目の当たりにすると、やはり好きな男には勝てないのだ。


小刻みに震える田所さんを見ていたら、そんな過去のことをふと思い出した。





依頼人が久しぶりの上玉だったから、ついついテンションが上がってしまったけれど、処女なら身体を大事にするべきだ。


田所さんは、AV女優じゃない。普通の女の子なのだから。


「……今回の依頼は見合わせましょうか」


静かにそう言うと、田所さんは驚いた顔をこちらに向けた。


丸くした瞳がたぬきみたいで、改めてみると汚れない女の子そのもの。


やっぱりこの娘のバージンを俺がもらうわけにはいかないだろう。


田所さんは、まさか俺から依頼を断られるとは思ってもみなかったらしく、しばし呆気に取られていたけれど、やがて我に返ったのか、勢いよく首を横に振りだした。


「こ、困ります! せっかく決心して申し込んだっていうのに!」


「失礼ですが、田所様。身体が震えてらっしゃいますし……」


「これは、武者震いで……!」


俺の言葉にいちいち反論してくるけど、唇も色を失うほど青ざめて、武者震いとは片腹痛いぞ?


「それに、田所様はまだお若いし、とても可愛らしい。今焦ってロストバージンするよりも本当に好きな人に出会った時のために、お身体を大切にしておく方がよろしいと思いますが……」


もちろん、ロストバージンの依頼を全て断るわけじゃない。


だけど、この娘はこんな形でロストバージンを迎えないで、好きな男に捧げた方が絶対いい。


仕事でたくさんの処女とヤってきた、俺の直感がそう言っていた。


諭すようにゆっくり言うと、田所さんは俯いたまま黙り込んでしまった。


……思い直したか。


田所さんとヤれないのはちょっぴり名残惜しいけど、彼女のことを思えばこれがベストだろう。


ふう、と安堵のため息を吐いたのも束の間、ふと彼女を見ると、さっきの俯いた状態のまま、肩を震わせていた。






actressの最初へ actress 18 actress 20 actressの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前