投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

actress
【その他 官能小説】

actressの最初へ actress 17 actress 19 actressの最後へ

こじらせ処女-2

……やっぱりな。


田所さんの反応で、懸念は確信に変わった。


――この娘は、ロストバージンを撮影したいわけじゃない。


彼女のどことなく怯えたような反応は、以前も見たことがあった。


AVには「処女」というジャンルがある。


よく、○○○○処女解禁! みたいなタイトルのアレだ。


大体が処女ってのは嘘だけど、たまにガチで処女でありながらもAV女優になる娘がいる。


だけど、みんながみんな、自ら志願してデビューしたわけじゃない。


処女なのにデビューする女の子の大半は、悪い大人に騙されたり、はたまた俺みたいに借金等の家庭の事情で仕方なく……って娘ばかりだった。


そんな彼女らのデビュー作の相手となる場合も何度かあったけど、大体がみんな、田所さんと同じような反応をしていた。


そりゃそうだ、初体験なんて、ただでさえ怖いってのに、大勢の前で、明るく照らされながら、よく知らない男に身体を開かなくてはいけないのだから。


男にとっては、童貞なんて早く捨てたいものだけど、女にとっては、本当に好きな男に処女を捧げたいと考える人が大多数だと思う。


それは、AV女優でも普通の女性でも、当たり前に持つ気持ちだと思うんだ。


だけど、この業界ではそんな綺麗事など言ってられない。


好きな男じゃなくても、セックスをしなくてはいけない、それがAVなのだ。


そう頭じゃわかっているけど、ガチの処女が相手の場合は、罪悪感が込み上げてくる。


大切にしてきたものを踏みにじる、そんな気がして。


人の輪に溶け込んだ生活に慣れていた人間は、得てして人に嫌われることを恐れる奴が多い。


かくいう俺も、そんな人間の一人である。


だから、処女解禁の撮影の時は、本番前の僅かな時間を利用して、女の子とコミュニケーションを取ることにしていた。


自分のためなのか、相手のためなのかは、わからない。


ただ、そうせずにはいられなかった。



actressの最初へ actress 17 actress 19 actressの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前