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たぎる
【その他 官能小説】

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たぎる-1

(1)

 強めのシャワーをあてるとまだ熱をもった秘部がジンジンと疼く。
(感じる……)
指が触れたらふたたび発火してしまいそうな過敏な状態である。昂奮が持続しているのだった。いや、肉体はさらに燃えあがっているといってもよかった。
(大変なことを……)
まるで思考が屈折、湾曲してしまったように働かない。
とても整理できない感情の乱れに見舞われて、頭のどこかに空白があるような、それでいて一気に何かが詰め込まれた感覚で収拾できないでいた。

 陰毛には精液のぬめりがこびりついている。ティッシュで拭きとったが、ナマコが吸着したような濃厚で夥しい量であった。
 石鹸をつけて洗い流す。付着物がなくなっても秘唇を割った肉茎の圧迫感は残っている。
(正彦……)
息子と交わった。……心で呟くと治まりかけていた動悸が高鳴ってきた。
(なんで、こんなことに……)
木綿子はざわめく想いに何度も溜息をついた。

 2階にいる娘の紗枝が気になった。
(聞こえてはいなかっただろう……)
正彦も自分も声を押し殺していたし、絡んでいた時間はわずかなものだった。……
それにしても、嵐のように過ぎ去った出来事の重さに鈍い心の揺らぎが続いていた。
 
 夫は新しいプロジェクトの仕事で半年間の限定で単身赴任。すでに2か月になる。まだ一度も帰っていない。北海道ということもあって週末に帰るのは無理なのだ。来月になれば5日間の休暇があるが、44歳の女盛りの体は熟れた果実のように常に蜜を滲ませていた。
(あなた……早く会いたい……)
掻きむしるほど胸を焦がし、寝床につくと、ここ1週間ほどは毎夜指が秘唇をなぞった。我慢しようと思いながら、気がつくと手が下着を潜っていた。
 そうなるともう行為は止められなかった。薄いパンティさえ邪魔になり、脱ぎ去って股を開いて指を差し入れた。
結婚以来、蜜液の源に触れたことはない。
 性的飢餓に肉体は限界にあった。……オナニーの真っ最中、陶酔し始めたところだった。
(だからといって……)
息子を胎内に受け入れた理由にはならない。……

(抵抗しただろうか……)
正彦が重なってきた時、必死で押し返しただろうか。禁断の交わりを避けようと、体は動いただろうか。 
(よく憶えていない……)
たしかなことは、漲った『息子』が一気に入ってきたとたん、引き込むように脚を絡めていたことだ。無意識に腰を煽っていたかもしれない。
「だめ!」
声になっていたかどうか。強く言ったつもりだった。だが、言葉と裏腹に結合して埋め込まれた一物の実感に気が遠くなっていた。

 切迫した正彦の息遣いにはっと我に返り、肩を押し上げながら腰を引いた。
(射精する!)
充填されていたモノが抜けて掠れた彼の声が耳元に吹きかかって下腹部に温かな液が散ったのがわかった。

 力が抜けて茫然としていた。無言で部屋を出て行く正彦の姿が幻影のように視界から消えていった。
 絶頂には達していないのに異様な快感が貫いた。それは燃えさかる炎の熱風に瞬時包まれたような痛みに似た抉られるような刹那の喜悦だった。


 浴室を出て、2階を窺い、逃げるように自室に入って布団にくるまった。寒いはずはないのに悪寒に襲われて身を縮めた。

 気配はおろか足音さえ気付かなかった。いきなり襖を開けられて驚きのあまり体が固まった。なにしろ布団をはだけて指を差し入れていたのだから。
(正彦!)
居間の明かりの逆光の中、黒々と明らかなペニスが隆々と勃ち上がっていた。
 彼の動きにためらいはなかった。身構えをする間もなく重なってきて、17歳の若竹は膣肉を殺ぐように深奥に達した。

 正彦の行動に違和感を感じ始めたのは1年ほど前からだった。
「お母さん。肩揉んであげる」
テレビを観ていると後ろに回った正彦が首筋に手を当てて言った。
「あら、うれしい」
振り向くと正彦の笑顔があった。ひさしぶりに明るさを見たように思った。
 親子間にわだかまりがあったわけではない。いわゆる思春期の親離れに高校受験も重なって、会話も少なくなった。子供の頃とは接触の質が変わっていったということである。それは自然な成長の流れなのだが、一抹の淋しさはあった。だから寄り添うような気持ちの感覚が嬉しかったのだった。

 幼い頃に、小さな手で肩を叩いてくれた……。
大きくなった指が凝った首筋に食い込むように力強い。
「ああ、効くわ」
「気持ちいい?}
「うん。とっても」
揉みほぐされる心地よさよりもそのひとときに心が和らいだ。
 
 指圧のように肩甲骨が圧迫され、徐々に腰に向かっていった。
「何だか本格的ね」
「肩凝りって血液の循環が悪いらしいよ」
「そうみたいね」
正彦の両手が腰にあてがわれてぐっと力が入った時、快感が貫いて木綿子は身を強張らせた。そこは敏感なのである。
「もう、いいわ。ありがとう」
後ろを向こうとすると正彦の両腕が腹部に巻きついて頬が項に押しつけられた。
「お母さん、いい匂い」
「なに赤ちゃんみたいなこと言って」
やさしく腕を解いて笑ったが、息子の吐息に性感が震えた。

 その後も何度かマッサージは気まぐれのように行われた。
ある時、その触れ方に変化を感じた。
(力が弱い……)
揉むというより、さわっている。まるで肉付きを確かめるように掌を当ててくる。しまいには脇に手が入って乳房に触れた。
「くすぐったいわよ」
「ふふ」
膨らみの一部が揉まれた。
「こら」
「おしまいだよ」
正彦は笑いながら逃げるように部屋を出ていった。


 


 

 
 


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