秘密の部屋-4
目を閉じて固まっている彼女を優しく抱きしめ、耳を舐めると益々固くなる。
何度も舐めあげながら飾り気の無い病衣を脱がす。
白い空間に浮かんだ褐色の裸体がとても美しくて隅々まで食べたくなった。
ほんの少し上気した両頬を両手で包み込んで唇を合わせると、素直に身を委ねてくれた。
熱い口内をねぶり、歯の1本1本を確かめるようになぞり、硬い舌を吸い上げる。
溢れ零れる唾液も残さず啜り、素肌に手を這わせて感触を楽しむ。
「っんぅ」
彼女の喉から甘い声が出るまで大分時間がかかった。
「赤の民が不感症気味なのは有名ですが、思った以上ですね」
これは結構大変だ、と笑うと彼女はブスッと膨れた。
「抱きたいならさっさと抱けば良いじゃないか」
「これでも、ただ抱きたいだけでは無いのですよ?貴女が気持ち良くなって頂かないと意味が無いのです」
「?意味?」
「ええ。僕の事しか考えられなくなる位、快楽に溺れていただかなくてはね」
「さ、最低な男だな」
「自覚してますよ」
だからタチが悪い。そう思っていても止められない、止めたくない。
自分よりも大柄な彼女を抱え上げてパイプベットに運び、覆い被さって身体中にむしゃぶりついた。
褐色の肌に赤い鱗がざわりと浮き出る。
「ああ、鳥肌みたいなものですね。気持ち良いですか?」
「ッッ〜〜〜っ馬鹿っ!」
照れて憎まれ口を叩くなんて、本当に可愛い人だ。
ピンク色に染まった頭の中は彼女一色なのに、端っこの冷静な部分が疑問を浮かべていた。
自分は大柄で筋肉質な赤の民を軽々と抱えられる程、力があっただろうか?
赤の民の肌に鱗が浮かんだのを、気持ち良いと判断できる程、赤の民について知識を持っていたか?
何年も密室に監禁されて運動不足な筈なのに、実験続きで何かを学ぶ事なんか皆無なのに。
「あぁっ?!」
その微かな疑問は彼女の甘い声で霧散して消えた。
豊満な胸のてっぺんにある大きめの乳首を口に含んだ途端、彼女の固い性感が崩れたようだ。
「っふぁ あ うぅ」
右手で白いシーツを握り、左手の甲で口を押さえる姿が初々しい。
硬く閉じた目尻にぷっくりと浮かんだ涙が何とも綺麗だ。