遺されたナイフ-5
◆
真雪は全裸のまま、その全身に白くどろどろした液をまつわりつかせ、放心したように荒い息を繰り返していた。
鷹匠は元着ていた服を身に着けた。「どう? 僕の身体、忘れられなくなったでしょ」
「……」
「また来るね、真雪さん。近いうちに」
そう言い放った男は、あっさり背を向けてペットショップを出て行った。
真雪はソファに横たわったまま、床に落ちていたナイフを震える手で拾い上げた。そして表情をなくした目でそれをいつまでも見つめていた。