遺されたナイフ-3
「いや……」真雪の目から涙が溢れていた。
「あーあ、僕、真雪さんの中に出しちまった……」
真雪は顔を両手で覆ってすすり泣いていた。
「孕ませちゃうかもね、真雪さんを」鷹匠はまた薄気味悪い笑みを片頬に浮かべて言った。「そうなったら、どうする?」
鷹匠は真雪の手首を掴んで、強引に覆っていた顔から引き離した。
「僕の子どもを産むんだね、真雪さん。何だかわくわくする……」
真雪は涙で汚れた顔を鷹匠に向けて、その目を睨み付けながら言った。「離れて! あたしから離れてよっ!」
「もう手遅れさ。思いっきり奥に出しちゃったからね」ふふっと鷹匠は笑った。「もしかして、危ない時期だった? でも、気持ち良かっただろ?」
真雪は顔を背け、力なく言った「な、なんでこんなことするの? 鷹匠くん……」
「言ったでしょ? 僕、君が好きだったって。初めて君を見た時から、僕は君の虜だったんだよ」
鷹匠は真雪から身体を離した。
「も、もう満足したでしょ? 帰って」真雪の目からは涙が溢れていた。「お願い、帰って」
「そうはいかないよ」鷹匠は不敵な笑いを浮かべてそう言うと、着ていたTシャツと膝まで下ろしていたジーンズ、それに下着を脱ぎ去り、全裸になった。
顔を上げた真雪は、震えながら言った。「ま、まさか……また……」そして慌てて身体を起こした。
「おっと!」鷹匠は真雪の首筋にナイフを押し当てた。「逆らわない方がいいよ、真雪さん」
真雪は身体を硬直させた。
「そう、おとなしくしててね」鷹匠はそう言って真雪の腕から切り離されたブラを取り去り、強引にソファに横たえた彼女の身体に馬乗りになった。
男のペニスが大きく真雪の胸の上で脈動していた。「いいね。やっぱり愛し合う時はお互いにハダカでないとね」
「や、やめてっ!」真雪は暴れ始めた。
「騒ぐな!」鷹匠はナイフを真雪の顔の前に突きだした。
真雪は構わず鷹匠の手首を掴んだ。鷹匠は動揺したように叫んだ。「お、おとなしくしろっ!」そしてナイフの背を真雪の乳房に押し当てた。
真雪は動きを止めて鷹匠を睨み付けた。
「これ以上あたしを犯すつもりなら、あたしは!」
ばしっ! 鷹匠はとっさに真雪の頬を平手打ちした。「黙れっ!」
ばしばしっ! 鷹匠はもう一度、真雪の頬を殴りつけ、ナイフを放り出して両腕をソファに押し付けた。
「ぼ、僕に逆らう気か? もう手遅れだって言っただろっ!」
ぺっ! 真雪は鷹匠の顔に唾を吐きかけた。「あたしはあなたなんかの言いなりにはならない! 離れてっ! 汚らわしい!」
鷹匠は唇をぶるぶると震わせながら静かに言った。「汚らわしい? へえ、そう……そんなに僕を嫌うんだ……」
「当たり前よ! あたしの身体は龍だけのもの。あなたにまた犯されるぐらいなら、死んだ方がましよ!」真雪は荒々しく叫んだ。
しばらく真雪の目を凝視していた鷹匠は、頬に掛かった真雪の唾液を右手の親指で拭った後、彼女の腕を押さえつけたまま身体に舌を這わせ始めた。腹から胸へ。そして乳房を口で捉え、乳首を乱暴に吸った。
「んんんっ!」真雪の身体がびくびくっ、と痙攣した。
男は黙ったまま左手の人差し指と中指を真雪の谷間にそっと挿入させた。中に出された鷹匠の精液と真雪の雫がいっしょになって溢れだした。