love for school by miku-2
「…ォイ、櫻井!」
「…何よ!!」
し〜ん。
エリがあたしを困った顔で前を指さす。
ん?前?
「ばーか。」
鷹月はボソッとあたしの耳元で呟く。
そこには田中先生のトゲのある笑顔が。
「…櫻井っ!!答えは!?」
どぉしよ、ドコやってるか分かんないよぉ〜泣
「…連用形だよ」
鷹月が呟く。
いいとこあるじゃん♪♪
「連用形です」
あたしが笑顔でそう答えると。
みんなが一斉に笑った。
「…もういい、鷹月、答えなさい。」
鷹月は笑いながら答えた。
「…I like taking pictureです」
…騙された。
黒板をみると明らかに英語の授業だった。
前言撤回。
鷹月ってやっぱ最悪。
ふと隣を見ると彼はまだ笑いを堪えているようだった。
「…ばかっ。」
あたしが鷹月の腕に小さなパンチをすると彼はこちらを向きなおして微笑んだ。
その笑顔が…──余りにも優しくて。
あたしは思わず見入ってしまった。
すると彼の手が延びてきて。
あたしの髪を触った。
でもすぐその手は離れていき、あたしも前を向きなおした。
…多分きっと真っ赤になってしまった自分の顔を隠すために。
チャイムがなると同時にあたしは急いで鞄をまとめて帰る準備をした。
そんなあたしに鷹月が声を掛けてきた。
「…一緒に帰ろ?」
えっ………。
子犬のような甘い顔。
「いー…よ」
あたしは思わず許してしまった。それがいけなかったのかもしれない。
「…ねー」
「─…っ何!?」
「…なんでそんな離れて歩くの。」
「──……」
あたしは彼の顔を見る事も出来ずに。
「…んでだよ」
彼はボソッと粒いた。
………怒った!?