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プラネタリウム
【ラブコメ 官能小説】

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I.-5

深夜1時。
「っあー!お疲れっす」
湊は締め作業を終えて休憩室の椅子に腰を下ろした。
ひどく混んだ1日だった。
佐伯に何度かケツを蹴られたのは未央しか知らない。
「おぅ、お疲れ」
「佐伯さん、それ俺やるんでビールでも飲んでて下さいよ」
「いーって。今日は飲めねーからよ」
「なんでっすか?」
「明日、ヤスタカの年長組の写真撮るからさ、酔っ払って情けねー顔じゃ行けねーからさ」
「そーなんすか。…だったら早く帰りましょーよ。俺も手伝うんで。あ、明日の仕込みやっときます」
「ばーか。明日も9時に来るんだろ?お前。俺の代わりに店長なんだから、今日はとっとと帰って休め」
「そーゆーワケにはいかないっす」
湊はそそくさとキッチンに向かい、スープのベースとなる鳥肉を捌き始めた。
「五十嵐。そんなん明日でも間に合うだろ」
「そーっすけど。…前日からのが味が濃くってお客さんからも好評です。明日のコトは俺に任せて下さい。妥協はしねーから」
「バカタレが」
佐伯は鼻で笑って休憩室に戻って行った。
鳥肉、玉ねぎ、そして隠し味のアレコレを入れて置いておけばベースの出来上がりだ。
湊は一人でニヤニヤしながら休憩室に戻った。
「五十嵐」
「はい」
「頼み事があんだけど」
「なんすか?」
「ゴールデンウイークの半ばなんだけど」
「はい」
「お前ん家でヤスタカ預かれねーかな?」
「えっ?!」
湊は硬直した。
店長の子供預かるって結構ハードル高いってか、下手なコトできねーし…いや、断れないし……。
「なんかあるんすか?」
「いや、今度ウチの会社が店舗広げるっていうんで、そのプレ会議みたいなのがあるんだけど。それが日がないもんでゴールデンウイークの真っ只中でさ、5月5日なんだよ。都合つかねーかな?」
「いや……えっと…。佐伯さんいないってコトは俺が店に出るってコトっすよね?」
「まぁお前に出て欲しいんだけどシフト上休みにしとかねーと9連勤になっちまうから…」
「あー…ナルホド。もしアレだったら仕込みとかやって…2時間くらいつけてもらって、それで休みならいーっすけど」
「マジでありがたい!その日身内がみんなダメでさ…。五十嵐しか頼める奴いなかったんだ。この恩はマジでどっかで返すから!」
「いやいや!いーっすよ!」
「悪いね」
「大丈夫っす。とりあえず陽向にも聞いてみます」
流れで了承したみたいになっているけど、大丈夫か?!


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