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プラネタリウム
【ラブコメ 官能小説】

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I.-6

「お前、5日休み?」
陽向は携帯を操作して勤務表を見た。
奇跡的に休みだった。
「…うん、休み」
「悪いんだけど、俺と一緒にヤスタカの相手してくんない?」
湊が申し訳なさそうに言う。
陽向はそれが可笑しくて吹き出した。
「なんで笑ってんだよ」
「なんでそんなに申し訳なさそーなの?」
「…っいや、お前が知ってる子じゃねーし、嫌かなーって思って」
「大丈夫だよ」
陽向はケタケタ笑ながら言った。
「子供大好きだもん。実習でも『ひなたせんせい だいすき』って手紙もらったし」
「…あそ」
「湊は子供と相性悪そーだよね」
「んなコトねーから!ラジコン得意だしゲーム得意だし!」
2人でギャアギャア言いながら博物館を見学し、最後のプラネタリウムのブースに差し掛かる。
「見に行く?」
「うん、星見たい」
「ひなは何座?」
「おとめ座。湊は?」
「山羊座」
「ヤギか…」
「誕生石はターコイズ」
「ターコイズブルー好きだよ」
「ねだってる?」
「ねだってない」
笑い合いながらゲートをくぐり、暗闇の空間へと誘われる。
席についたら湊とは別人になったような空間にいた。
黙っていて暗くて儚くてそれでいて繊細で、言葉や見える何かがなくても美しくて……。
ただただ見惚れていた。
「ベテルギウスも12月に見えるんだ」
隣にいた湊が呟く。
「こんなに強いのに、有名な星座にはなれなかったんだね。なんでだろ」
「……」
「1人じゃ何もできねーってコトかな」
「…そんなことないよ。ただ、見栄っ張りだから、みんなが怖気付いただけなのかも。イチバンが全てじゃないよ」
「そっか」
湊は鼻から息を漏らした後、陽向の頬に触れた。
「今度は本物の夜空でベテルギウス見つけてーな」
「冬になったら景色のいいとこ行こうね」
「だな」
湊は陽向の左手を握り締め、頭を引き寄せた。
一番後ろの席だからいいだろ。
そっと、唇にキスをする。
湊は、ビックリした顔の陽向に「スキアリ」と微笑んだ。


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