痛みと悦び-8
ぴったりと肌に張り付いたシャツのボタンを外し、はだけた首筋に顔を埋めて舐めあげる。
「んっふうぁ」
ぞろりとした舌の感触にリョウツゥの口から矯声が上がった。
(ふあぁ……気持ち良い……)
よくよく考えてみたらリョウツゥ自身、久しぶりの行為だった。
緑の地域に居た頃は毎晩のようにバインに気持ち良くしてもらっていたのに、緑の地域を出て今の今まで自慰さえしていなかった。
自覚はなかったがかなり欲求不満だったらしい。
リョウツゥはジルの首にしっかり腕を回し、ねだるように身体を擦りつけた。
「具体的に、どこまでオッケーなんだ?」
「ふぇ?」
ふわふわしていたらジルが顎の下を舐めながら聞いてくる。
「挿れたらダメなんだろ?指もダメか?」
そう言うとミニスカートをまくり、下着の中まで指を滑らせてきた。
「あ、ゆ、指は1本位は、大丈夫、です。とにかく、性器が挿入されなければ……っあぁんっ」
リョウツゥが話し終わる前にジルの指が挿ってきた。
「曖昧な掟だな」
「あ、あ、あぁっジルさぁん んっ」
まだしっかり濡れていない状態で指を挿れられ、内側を擦られる感触にぞわぞわする。
「どうした?俺を気持ち良くしてくれんだろ?」
気持ち良くする側がぐずぐずじゃないか、とジルは楽しそうに笑う。
「だっ てぇっやああっ」
少し乱暴な手付きなのに凄く気持ち良い。
「感じ易いんだな」
ジルは中指を出し入れしながら親指を蕾に押し付けた。
「あっ!?それっだめっ」
「そうかそうか、コレが好きか」
引きそうになったリョウツゥの腰をがっしりと押さえ、更に激しく指を動かす。
「ぅああんっやあっだめぇっ」
膝立ちになったリョウツゥがガクガク震え、ジルの肩に置いた手に力がこもった。
「あ、ああ、だめ、イッちゃ……ッ」
呼吸が小刻みになり、閉じた目からボロボロ涙が溢れる。
「飛べよ」
「あ、あ、ああぁーーーーーーっ!!!!」
ぶわっと身体が投げ出される感じがした。
そのまま急速に落ちる感覚に、リョウツゥは思わず翼を広げてしまう。
「……ぁ……」
はぁはぁと呼吸を乱してリョウツゥはぐったりとジルにもたれた。