非常階段-6
「ほら!綺麗でしょ?」
リカは、進学校の男を連れ非常階段の最上階に来ていた。
リカは、素直に ここの夜景が好きだった。
近くに見える電車と、その奥にあるビル群の明り吹き抜けるビル風が気持ち良く気に入ってたのだ。
だが、男にはリカの呑気な夜景紹介は関係なかった。
夜景を映しリカの瞳がキラキラと光る。
ぽってりとした唇に塗られたグロスだろうか。夜景の光を受け艶めく。
無邪気に身を乗り出し、大きく柔らかそうな胸が柵に乗ってしまっている。
「綺麗だね。」
男は欲望を滲ませ、甘く愛を囁くように返事をした。