お花屋さん-2
一方の男は、顔が欲望に歪むのを抑えていた。
駅前でチラっと見かけただけでは解らなかった、リカの白く柔らかそうな肌、くりくりと大きな瞳、小さくぷっくりとした唇。
そして、まだ夜は冷える季節に着られた大きめなカーディガンの中の大きな胸。
間近で見るリカは、まさに極上な獲物だった。
「どこに行きたいんですか?」
警戒を和らげたリカの親切そうな笑顔と可愛らしい声も、男の欲望を煽る材料が増えていくだけだった。
男は適当に友人と約束でと目的地を告げると、リカは一瞬 不思議そうにしながらも道を説明した。
リカが不思議そうにしたのも無理もない。
男の言った目的地は、駅の通りを真っ直ぐ行くだけの迷いようがない場所だったのだ。
だが、説明を聞いた男は まだ解らないと首を捻った。