はじまり-1
「いってらっしゃいー」今日もいつものように旦那を送りだし、一日が始まる。
私の名前は橋本真弓 29歳 身長は165cm程度、結婚して早いものでもう5年が過ぎた。真弓も20代の前半ごろはもっとやせていたが今ではすっかり、おなかにも肉がついてしまっている。
子供はまだおらず、今の調子では子供はなかなかできそうではないと真弓自身も認識し始めている。旦那は橋本恭介 33歳 恋愛で結婚したのではなく、真弓の両親が選んだ相手である。
真弓の父親はある薬品会社の創始者一族であり、いずれは婿養子である恭介が跡をとることになっている。しかし、真弓の両親は昨年、交通事故で他界してしまい、真弓には莫大な財産が残されたのだった。
恭介を会社に送った後、真弓は特に家事をするわけでもなく、テレビを見ながら自分で株式の売買を行うのが日課になっていた。今日もいつものように株式の売買を行っていた。
「あー疲れた。でも、今日もまずまずの利益ね」そう言いながら台所へコーヒーを入れに行く真弓。
コーヒーを飲みながら、夕食は何にしようかしらなどと考える。結婚してからはこの繰り返しの毎日である。
いつものように恭介が帰ってきて一緒に食事をし、毎日寝て翌日仕事に恭介を送り出す。そんな毎日の繰り返しだった。
そんなある日、恭介が出張になり、普段は恭介の部屋には入らないのだが、恭介から確認してほしいデータがあるので恭介の部屋に入りパソコンのデーターを確認してほしいとの電話があり、久しぶりに恭介の部屋に入りパソコンのデータを確認し、恭介に電話を入れた。
「ありがとう 助かったよ 出張が終わったらすぐに帰るから」そう言い終えると恭介は電話を切った。「よかったわ 役に立てて」そう言い終えると電話をポケットにしまいこむ真弓。
「あら何かしら?」恭介の机の下に鍵が堕ちていることに気付いた。鍵を手に取り鍵を見つめる真弓。どうやら形大きさから想像すると机のカギらしい、普段ならそのままにしておく真弓だが、今日は恭介が出張で帰ってこない。
「どんなものが入っているか見てみようかしら?仕事のものばかりだと思うけど」そう言いながら机の引き出しを真弓は開けたのだった。
中から出てきたのは真弓とは対照的なスレンダー、豊乳、黒肌な女の写真ばかり、写真から想像すると写真の中の女はSM女王のようだ。写真の中には女が煙草を吸っているところを撮影したものレザーコートに身を包んだ女、ひざ上まであるブーツをはいた女などどの写真も真弓とは対照的な女ばかりであった。
真弓はショックを受けるとともに恭介がどんな女が好きなのかということがはっきりわかったのだった。
数日後、恭介がいつもと同じように出張から帰ってきた。それをいつもと同じように出迎える真弓の姿があった。
翌日、いつものように会社に行く恭介を見送ると真弓は携帯電話を取り出し、電話をかけるのだった。