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〈生贄の肉・二つ〉
【鬼畜 官能小説】

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〈無垢なる願い〉-6

「離しなさいぃッ!!れ…玲奈さぁん!!」


守るべき者への思いが、火事場の馬鹿力を発揮させたのか?

奈々未は男の腕を振り切ると、オヤジの群れに突進し、腕や背中を滅茶苦茶に叩いて追い払い、再び玲奈を抱き締める事に成功した。


「ふひッ…ふひッ…奈々未さん……ひぐ…もう嫌だよ……もう此処に居たくないよ……」


初めて、そして無理矢理に見させられた怒張した肉棒に、玲奈は精神的な動揺を隠せないでいた。
全身をブルブルと震わせ、ボロボロと大粒の涙を溢して泣いている。


「怖い思いさせたわね……玲奈さん、ごめんね……」


ほんの数秒の乱暴をみても、このオヤジ達の異常性は伺い知れた……もし今、助け出す事に成功してなかったなら、分娩台か奇妙なベッドに清らかな身体を拘束して、きっと玲奈の心身が再起不能に陥るまで弄んだだろう……。

奈々未は玲奈の傷付いた心を少しでも癒そうと、その“痛み”を分かち合いたいと謝罪の言葉を投げ掛けた。
そしてギュッと慈しむように抱き締めると、まだ玲奈を諦めていないオヤジ達の前に、再び両手を広げて立ち塞がった。





『邪魔すんのもいい加減にせいや』

「うぐぁッ!?れ、玲奈さんッ!!」

「ああ……あ………」


いくら強く思ったところで、所詮は物理的に男には敵わない……奈々未は眼鏡の男に腕を掴まれた瞬間、玲奈の傍から引き離され、またもオヤジ達の前に玲奈を置き去りにしてしまった……。


「た…助け……助けて…く…ください……」


玲奈は床にへたり込み、詰め寄ってくるオヤジ達を子供のような泣き顔で見上げていた。


無力だ……正義の心は何の意味も為さず、暴力を戒められる腕力も持たない奈々未は、目の前の少女一人も救えない……哀しさと虚しさだけが、今の奈々未の全てであった……。


『ククク……まだ半人前のお前なら“こんなモン”だろ?慕ってたガキの一匹も救えないなんてなあ?』

「!!!」


男の囁きは奈々未の〈心〉を殴り付けた……修道着を着ているだけの未熟者が、シスターを気取って振る舞っているだけに過ぎないと嘲笑ったのだ……こんな男に心底を見透かされたという事実が悔しく、しかし、ずっと秘めていた《覚悟》を口にする衝動の切っ掛けとなった……。



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