子-6
「さぁ。始めようか」
ガラリと変わった雰囲気に息をのむ。
なに・・・
今まではエセとはいえ、王子の雰囲気だったのに。
自分の部屋に入った途端に
その仮面をかなぐり捨てた。
スーツの上着を椅子の背もたれにほおり投げ
私の目を見ながらネクタイを緩めた。
外したネクタイをスーツの上着の上に投げ
ゆっくりと私に近づきながらYシャツのボタンを外す。
「ちょ・・・と」
私はその色気に怖くなってゆっくりと後ろに下がった。
「晃」
「えっ・・・?」
「セーフ・ワード」
「セーフ・ワード?」
「俺の名前です。すみれさんがこの言葉を言ったら
俺の全ての行為をストップさせます」
「・・・・」
王子がゆっくりと私に追いつく。
首をなで、首筋にキスをする。
「これを言わない限り、いやと言ってもやめません」
「・・・・」
「好きなだけ、いやだと言ってください」
その言葉にゾクっとした。
「泣きながら抵抗しても?」
王子の目を見てそう聞くと
王子は目を細めて
「名前を呼ばれるまではやめません。
さぁ、今からスタートです」
と、いきなりキスをして舌を入れてきた。