笛の音 3.-33
「うん、いいよぉ……。ルイにいっぱい、しゃぶらせて」
そう言って瑠依子が信也の足元にしゃがもうとしたが、
「ちがうぞ、瑠依子」
と信也が押しとどめた。きょとんとした顔の瑠依子に向かって、「そこに登るんだ」
信也が指さしたのは、自分だった。有紗も訝しんでいると、
「肘掛けに両足を付いて登れ」
「あ、うん……」
瑠依子は全裸姿なのに躊躇うことなく脚を上げて肘掛けに左右の脚を登らせてくる。
「バカか、瑠依子。反対だ。……立て」
有紗と向い合せで登ったはいいが、そこからどうしていいか悩んでいた瑠依子を、肘掛けに足の裏を付かせて立たせる。
「こ、こわいよぉ……」
「大丈夫だ、支えといてやる」
そう言って信也は瑠依子を反転させ、ゆっくりと腰を降ろさせていく。フラつきながら大きな尻を落とした瑠璃子は、まるで和式便所に跨るように椅子の上にしゃがんだ格好になった。有紗の鼻先に、甘ったるいフレグランスの匂いが漂って、瑠依子との距離の近さを感じさせてくる。
「もっと後ろに行け」
「う、後ろ?」
「……有紗の顔を跨ぐんだ。俺に五回もイカされたオマンコを見せてやってくれ。……見られると嬉しいだろ? イジメられるのが好きな変態ビッチなら」
「ううっ……」
呻いた瑠依子だったが、慎重に肘掛けの上を後退りしていくと、膝を伸ばして股間を有紗の頭上に差し上げてきた。
「ウーッ!」
頭上を暗みが覆って有紗は悲鳴を上げた。もちろん見上げることはできない。膝を中途半端に伸ばした無様な四つん這いになった瑠璃子の口前に、信也はブリーフの窓から差し出した男茎を近づけていった。
「じっとしてろ。手離したら落ちてしまうからな。……顔を上げろ」
「うん……、こう?」
瑠璃子が顔を上げた瞬間、勃起が顔を打擲した。「……やあんっ!」
「じっとしろっ!」
厳しく声を荒らげられて硬直した瑠依子の頬や額を縦横に撓らせた信也の男茎が叩く。「ほらっ……、どうだ? 俺のチンポ。ん? うれしいか?」
「うっ……、あ、はい……、う、うれしいですぅ……」
男茎が打つ度に不安定な椅子の上で慄いている瑠璃子が、口を半開きにして舌を差し伸ばし、次の一撃を与えるために引いていく亀頭を追いかけようとする。
「なんだ、そのブサイクな顔は? 変態女がっ」
「ううっ……、やん、信ちゃん……、しゃ、しゃぶりたい」
「そんなことより、ほら、そのイヤラしいオマンコ、もっとちゃんと有紗に見せてやれっ」
男茎で顔を打ちつけられて、瑠依子は内股になりそうになっていた脚を無様にガニ股にすると、有紗の顔の近くまで寄せた。独特の体臭を持っているのだろう。酸味が混ざったニオイが薄っすらと鼻先に漂い、顔を背け瞼を閉じていても有紗にはどこまで近づけられているかが分かった。
「う……、あ、え、えっと……、む、娘、さん……、な、名前……?」
「もう忘れたのか? お前はほんとうに頭が足らないな。そんなんだから体売ったり借金しなきゃいけないんだ。ほら、ちゃんと有紗にバカマンコを見てもらえっ」
「あ、有紗……、ちゃん。し、信ちゃんにジュボジュボされてイキまくった、ルイのオマンコ……、バカマンコ……、みて」
「ほら、見えるか? 有紗?。お父さんがイカせまくった他の女のオマンコだ」
うぐっと瑠依子の声がくぐもった声になった。男茎を口に含まされたのだろう。「……バカだからフェラチオも有紗のに比べたら格段に落ちるな。ほら、バカなりに気持よくしろっ……」
全裸で椅子の上に四ツ足を付いた姿で、瑠依子は懸命に頭を揺すってジュブジュブと信也の男茎を慰める。その間にも執拗にバカだバカだと信也は瑠依子を貶していた。
「ンーッ……! ……ンーッ!」
有紗は悲鳴を上げた。頭上に浮かぶ瑠依子の股間には目もくれていなかったが、男茎をしゃぶっているうちにまた疼いてきた瑠依子が、緩んだ秘門から体を揺する度に淫汁を漏らして、その小さな飛沫が頬に降ってきているのだ。信也に蔑まれるほどにだらしなく蜜を飛ばしていた瑠依子は、呼吸が苦しくなったのか、大きく息を吐いて男茎を口から出すと、
「バカ、バカ……、ってぇ」
涙声でグスグスと鼻を鳴らして、「わたし、バカでも……、バカマンコでも、頑張って生きてるよおっ……」
と叫んだ。よほど自尊心が傷つけられたのだろう、ううっと嗚咽を漏らして流した涙が、有紗の下腹に落ちてきた。
「……、ああ、そうだな。ごめんな、瑠依子」
急に優しげな信也の声がすると、支えられながら瑠依子が肘掛けから降ろされていった。頬に垂れた瑠依子の蜜を拭うこともできず、股間や乳首、そして後ろの器官から全身に巡ってくる掻痒に身悶えしている有紗を尻目に、
「瑠依子は素直ないい子だな。瑠依子のお陰でおちんちん、大きくなったぞ? ん?」
と頭を撫でて信也が慰めている。
「……じゃぁ、コレ、ちょうだい……」
瑠依子は誉められて一転笑顔となり、緩んだ腹に付くほどに勃起した唾液まみれの男茎を両手で握って上目遣いに甘えた。
「いいぞ、瑠依子。じゃ、俺にお尻を向けろ」