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忘れられない時間
【レイプ 官能小説】

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裏切りと凌辱の夜A & 新たな恋の始まり-2

 手前から五つ目の倉庫の前に人影があった。
 背の高い黒いスーツ姿の男。
 夜だというのにサングラスをかけている。
 坂崎が手を上げて合図を送ると、ガラガラと賑やかな音を立てて半分ほどシャッターが開く。
 男がうやうやしく頭を下げた。
「お待ちしておりました、坂崎様。5人ともご指示をいただいた通り……」
 そこで男が桃子の方を見て口をつぐんだ。
 坂崎がうんうんと頷く。
「この子は特別だからね、気にしなくていい。ほら桃子、こっちだ。暗いから足元に気をつけて」
 そう促されて鉄製のシャッターをくぐり、桃子は巨大な倉庫の中に足を踏み入れた。

 暗い。
 どこからか大勢の話声が聞こえてくる。
 前に進もうにも、足元が見えず不安になった。
手をひかれ、ゆっくりゆっくりと足を進める。
 正面奥の一角にだけ、ぼんやりとした明かりに照らされている場所があった。
 近づいていくのにしたがって、だんだんとぼやけていたものの輪郭がはっきりしてくる。
 天井から下がる銀色の頑丈そうな金具。
 そこから垂れた縄に両手を結びつけられた、白い裸体。
 女。
 その足元には、数人が背を丸めた姿勢で呻いている。
 おそらくは男。
いずれも服を着ていない。
 床には、木の棒のようなものや黒い乗馬用の鞭。
奇妙な動物の飼育場のようにも見えた。
 さらにそのまわりを、人相の良くない男たちが取り囲んでいる。
心臓が嫌なリズムを刻む。
 あれは。
 足を止めたくなる。
 坂崎は手を離してくれない。
 湧き出してくる酸い唾液を無理やり飲みこんで、さらに奥へと進む。
 
 光が照らし出す輪の少し外側にパイプ椅子が置かれていた。
 勧められるままに腰を下ろす。
 ……やっぱり。
 吊るされているのは、涙で顔をくしゃくしゃにした香苗だった。
 開いた脚の間には、白濁した液体がべっとりとこびりついている。
 床に転がっているのは桃子を犯した先輩三人と、良也。
 みな黒い布で目隠しをされ、体や顔に無数の痣が残っていた。
 ああ。
 これから自分は、悪趣味な見世物の観客になるのだ。
 足元から抗いがたい恐怖が這い上がってくる。
 呆然としている桃子の頭を、坂崎が優しく撫でた。
「びっくりしたかい? でもね、彼らをあのまま放っておいたらまた同じようなことを繰り返すかもしれないだろう」
 幼い子供に説いて聞かせるような口調。
「桃子は、それでいいと思うのか?」
 何も答えられない。
 ただ首を左右に振るだけで精いっぱいだった。
「そうだね、悪い子はお仕置きを受けないといけない。世の中には他人の痛みがわからない人間もたくさんいるからね」
 だから、彼らには。
 桃子と同じか、それ以上の痛みを味わわせてあげないと。
 二度と同じことを繰り返す気にならないように。
「で、でも、やりすぎじゃ……」
「優しいんだね、桃子は。このまま嬲り殺しにしてやってもいいくらいなのに」


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