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忘れられない時間
【レイプ 官能小説】

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ふたりの出会い-1

 その日の待ち合わせ場所は、新宿駅東口前の巨大な交差点だった。
 1月下旬、平日の午後七時。
 ちょうど駅に着いた頃から雪がちらちらと舞い始め、じっとしていると足元から凍りついてしまいそうになる。
 ……まだかなあ。
 こういうのって、たいていは男の人のほうが早く来ているものだけど。
 早川桃子(はやかわとうこ)は薄汚れた電柱に背をあずけながら、ぼんやりと視線をさまよわせていた。

 大勢のサラリーマンやOL、それに制服姿の学生たちがせわしなく行き交う街角。
 あちこちの店から流れてくるわけのわからない音量の音楽が耳に障る。
 だいたい、顔も知らない相手と待ち合わせをするのに、こんな場所を選ぶ男の気が知れない。
 もうちょっと人の少ない駅の改札口だとか、いっそカフェやファミレスにしてくれたらわかりやすいのに。
 約束の10分前から同じ場所に立っているけれど、どうにもそれらしい相手の姿は見えない。
 ……来ないつもり?
 まあ、たまにはそういう相手もいる。
 こっちだって急に気のりしなくなって行かないときだってある。
お互い様、かな。
 明日はまた朝一番から必修の講義も入ってる。
 あと10分だけ待って来なかったら帰ろうか。
 つらつらとそんなことを考えているうちに、ポケットの中でスマートフォンが軽快なメロディを鳴らし始めた。


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