『痴漢ごっこ』の記憶-5
美山が体を起してベルトを外し、ズボンを膝上あたりまで下げた。
その細身な体格に似合わず大きく張り詰めた男根が、彼の中央にそそり立っている。
怖い、怖い。
肩を震わせながら桃子はゆっくりとM字型に足を開き、泣きながら自分の両手であそこを広げた。
「わ、わたしの……おまんこに、おちんちん、入れてください……」
いやらしいわたしの、おまんこ、かわいがってください。
たどたどしい言葉の羅列に、美山がますますいきりたっていく。
「ああ、上手だ。そのまま動いちゃだめだよ」
猛った男根の先が媚肉の中心に押し当てられる。
ぐっ、ぐっ、と熱い塊が捻じ込まれていく。
少し進んでは入口まで戻り、またもう少し奥まで進む、というようなやり方で。
桃子は自らの手でその部分を開いたまま、ただじっと耐えることしか許されない。
岩のようにずっしりとした重みに、全身が押し潰されてしまいそうだった。
「あっ……あっ、はぁっ……入ってくる……だめ、入っちゃうっ……!」
「桃子ちゃんの中、すごく締め付けてくるよ。本当にいやらしい子だね、犯されながらでもこんなにどろどろに濡らしちゃって」
「ちがうの、いや、いやあああ!」
ずん、と子宮の奥まで響くような衝撃がきた。
打ちこまれた肉杭が指では決して届かない場所をぐちゅぐちゅと掻きまわしていく。
体温がでたらめに上がり続け、大量の汗が噴き出す。
熱い、熱い……。
強烈な痺れに体中の自由がきかなくなる。
擦れ合う粘膜が堪えがたい疼きをもたらしていく。
喉の奥から悲鳴と喘ぎの入り混じったような声が漏れた。
腰がひとりでに浮き上がり、自分の意志とは関係なく美山を求めてしまう。
「うわ、腰揺れてるよ? そんなに欲しくなっちゃった?」
「だ、だって……熱くて、もう、すごいの」
美山のシャツが破れてしまいそうな強さで、彼の背中にしがみついて爪を立てた。
わたし、いやらしいの。
だから、こんなに欲しくて。
いいよ、このまま出して。
桃子の中に、いっぱい。
指定された通りの台詞。
でもそれは、その瞬間自然に桃子の中から湧き上がる言葉でもあった。
美山が腰を振り抜く。
それを受けとめながら、淫液と汗にまみれた桃子が泣き叫ぶ。
「気持ちいいの、もう溶ける、わたし溶けちゃう……!」
「君は本当に……ああ、いく、桃子ちゃんの中でいくよ……」
美山がウッと顔をしかめて呻いた。
どぷっ、どぷっ、と精液が膣いっぱいに放出されていく。
もうずいぶん前から、桃子は自衛のためにピルを飲んでいる。
だから万が一の心配はないのだけれど、それでも犯されることに怯える少女になりきっていたためか、絶望に似た感情から長い間涙が止まらなかった。