勇気と劣等感-2
雨がシャワーのように機械的に流れ続け、私はポツンと一人バス停で雨宿りをする。
「はぁーーあ。」
溜息と共に白い霧が口から吐き出され、力が抜けるようにストンと腰を椅子に落とす。
今日も佐伯君に声を掛ける事は出来なかった。私の存在何かまるで気付く様子もなく友達と一緒に笑っていて。
巴ちゃんも私の意志を尊重してくれて、「彼の事は任せろ」と言わんばかりに一条君も手を貸してくれて。
本当、仕方がないわ…、だって彼を目にすると心臓がドキドキして。
それじゃー駄目なのは判ってるけど…。
今も尚、鳴りやまない雨をただただ虚しく眺める。
「いやー、急に降りやがって。」
「!!?」
それまで落ち着いていた心臓が、一気に激しく動き出す。