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笛の音
【父娘相姦 官能小説】

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笛の音 2.-26

「……知ってるよ」
「いいえ……。森さんは知りません」
 鼻を啜ると、涙が溢れてきた。「……トラウマがあります。……あ、……あ、あそこを触られたり……、挿れられたりするのが怖いんです。い、今も、怖いです」
「……乱暴されたの?」
「言いたくありません」
 明彦は黙って下腹にあった手を引き、腰に回して抱きしめてきた。背中に当たる肌が温かい。ありがとう、これならウソもつきやすい。
「こ、こんなに濡らしてるくせに、何言ってんだ、って思いますか……?」
 花唇から溢れた蜜は、有紗の秘丘だけではなく、内ももの付け根やヒップの狭間まで濡らしていた。明彦も気づいているだろう。
「……そんなこと思わないよ」
 優しい彼がそう言うだろうと践んでいた。有紗は抱きしめている明彦に気づかれまいと、鼻から吸い込んだ息を止める。
 私はウソつきだ。
 涙に震わせて長く吐き出すと、身を反転させて明彦の方を向いた。彼の首筋に額をつけ、小さな声で、
「でも、……ごめんなさい。……こうしたかったんです」
 と言って、お互いの体の狭間で屹立している男茎を手の中に包んだ。
「ちょっ、……あ、有紗ちゃんっ……」
 驚きとともに手の中で包まれた男茎が腰ごと弾むのが可愛らしいと思った。握り込んだ掌の中で、亀頭の先から漏れた粘液がヌメる。
「……な、なのに森さんと、……したかったんです」
 有紗は先走りの汁の滑りを利用して、明彦の長い男茎をゆっくりと扱く。ネチッ、ネチッと粘液が撥ねる感覚を指に感じながら、握る手の力を強弱させて、やがて明彦が敏感な場所を見つけると、生殺しにするつもりで指の角度と圧を変えて刺激し続けた。
「んっ……、あ、有紗ちゃん……」
「きもちいい、ですか?」
「くっ、……き、きもちいいよ、すごく……」
 冗談の多い彼が、余裕なく腰をビクつかせて慄いている。有紗が上目遣いを作り上げて、
「キス……、してください」
 と言うと、紳士だった明彦のキスが、情熱的に舌を押し込み、絡めるものに変わった。唾液の撥ねる音が大きく立つように、有紗は舌を跳ね上げ、唇を吸い込む。親指で尿道口を擽ることで震える彼の舌の振動を愉しんだ。
「くうっ……、あ、有紗ちゃんっ……」
 明彦の顔が劣情に溶けそうになっている。だが優しい彼は、――自分に本気で惚れている彼は、有紗の脚を無理矢理開いて、欲の赴くままに男茎を濡れた媚肉に押し込んでくるような真似はできない。
「したい……、ですか?」
「うっぐ……」
 有紗が男茎に恐怖心があると聞かされた明彦は、熱い鼻息を髪に吹きかけながら懸命に淫欲に耐えているようだった。
「したい、……ですよね、やっぱり。は、裸で抱き合わせといて、体にいっぱいキスさせといて……。……あ、あそこ濡らしてるんだもん、私。ヒ、ヒドイ……、ですよね」
 私はウソつきな上に、ヒドイ女だ。知っている。「言ってください。おねがい」
「……し、……したい」
「私のこと、好きですか……?」
「す、好きだ……。めちゃくちゃ、好きだ……」
「あの」
 暴発しないように親指で噴射口を抑えた。「わ、私も、したいです。……あ、明彦さんと。すごく、したいです」
「うっ……、あ、有紗ちゃんっ……」
 有紗の言葉と、名を呼ぶ声に、男茎が激しく震えた。有紗は身をにじり、寝転んだまま背伸びをするように明彦の顔の正面まで上がると、
「お尻でなら、できます……」
 と言った。
「……え」
「あ、あそこではできない……、けど、お尻なら。それじゃダメですか?」
「な、……くっ、……何言ってんだよっ!」
 狼狽と下腹部の快楽の板挟みに合った明彦は、有紗の申し出を振り払うように首を振った。「そ、そんなの、前原さ……、あ、有紗ちゃんにさせれないよ……!」
「……したこと、ありますよ、私。……お尻で。私のお尻じゃ、イヤですか?」
「ちがうっ……、そうじゃなくてっ」
「ここに来る前にちゃんと、洗ってきたから……、ゴムつけなくてもできます。でも、明彦さんが、き、汚いと思うなら、ゴムしてくれてもいいです」
「ほ、ほんと、有紗ちゃん、何言って……」
「明彦さんがお尻でしたことなくても、……もし私としたいならしてください」
 有紗は軽く泡立ってしまった粘液の糸を引き、亀頭から手を離した。身を俯せると、静かに膝を立てていってヒップを上げる。「わ、私は、明彦さんにされたい……」
 シーツに跪いて、目を閉じた。額づく体勢になると菊門が外気に晒されているのがよく分かる。
 ――沈黙。
 惚れた女が肛接などという悍ましい行為を望んでいることに、明彦が幻滅し、髪を引っ張り、罵声を浴びせてベッドから引きずり降ろしてくれるのを待っていた。
「あ、有紗、……ちゃん」
 明彦が身を起こす気配がする。
「……んっ」
 硬くなった先端が菊門に触れてきた。溜息をついて括約筋を緩める。
「い、挿れ、る……、よ」
 声が震えている。普段快活な彼からはとても聞けない声音を聞かされて、菊門が広げられ始めた。
「んぐぁっ……!」


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