抵抗-2
そして、ホテルの4208室。
夜景が見える地上42階の落ちついた雰囲気のスィートルームで、私たちはふたりきりになった。
ついに藤崎由美を抱けるのだ。
ずっと妄想の中でオナニーすることしか出来なかった存在をこの手で抱けるのだ。
童貞を喪失した時のように心臓が高鳴る。
窓からは東京の夜景が拡がっているのに目に入らない。
「藤崎君、何か飲むかね?」
気持ちはすぐにでも彼女を抱きたくてしょうがないのに、一応、大人の余裕を見せる。
「結構です。それよりシャワーを浴びさせて下さい」
藤崎君は部屋を見まわし、バスルームのある方向へ向かった。
「ダメだ」
すかさず彼女の手を取って引き止めた。
「何をするんです!?」
「君のありのままの体を味わいたいんでね。シャワーなど浴びられてたまるか」
おそらく昨夜か今朝、彼女は風呂に入って体をきれいにしてきているだろう。
しかし今、シャワーを浴びられたら、一日の生活で付着した分泌物や体臭が失われてしまう。彼女の股間に顔を埋めた時、味わいたいのは石けんの香りでなく、濃厚なオマ×コ臭だ。
私は彼女を引き寄せると、抱きしめて形のいいくちびるを奪った。
「んんっ……、うううっ……」
当初、腕の中で藤崎君は激しくもがいたが、やがて私を受け入れておとなしくなった。
彼女のくちびるはやわらかく、潤いがあり、官能的だった。
私の股間のものは硬く張り裂けんばかりで、今や暴発寸前だった。
そのまま柔道で鍛えた腕で藤崎君をお姫様だっこし、ベッドに運んで、無造作に下ろす。
「やっぱりイヤです。勘弁して下さい」
いよいよ抱かれることを自覚して、藤崎君は最後の抵抗を始めた。
体をひねり、手や脚でつっかえ棒をして私を拒む。
面白い。このままあっさりと体を許されたのでは趣きにかける。
「部長、お願いです! 他のことなら何でもしますから許して下さい!」
こういう時は、彼女の心を挫けさせるこのひと言だ。
「いいのかね? 恥ずかしい画像をバラまかれても」
彼女の抵抗がとまった。
そして、決めのひと言。
「たった一晩。たった一晩、我慢すればいいんだ」
藤崎君はこれでおとなしくなった。
ふたたびキスをして唾液を交換する。口をこじあけて、舌を絡ませる。
彼女の可愛らしい舌は最初逃げまわったが、やがて諦めたのか、私のなすがままになった。
こわばっていた体からは力が抜け、真っ白なシーツの敷かれたベッドに身を委ねた。
私はすかさず彼女の胸に手をやった。
何の抵抗もなく、揉まれるがままになっている。
そうだ、いい子だ。おとなしく言うことを聞いていればいいんだ。
服の上からではあるが、彼女の胸は弾力があり、やわらかかった。
大きすぎず小さすぎず適度な大きさだ。
はやく脱がせて、実際の感触を味わってみたい。乳首を舌で転がしたいという思いに駆られる。
しかし、ここで急いではならない。
夜は長いし、別にあせる必要はないのだ。
それに私は女を知ったばかりの若造ではなく、それなりに経験を重ねた中年男だ。ここは、じっくりと彼女の体を堪能すればいい。
濃厚なキスを受け、胸を揉まれて虚ろな顔の藤崎君を観察しながら、手を下半身に滑らせ、スカートの中に入れた。