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夢を見るころ
【女性向け 官能小説】

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「あの。永坂です」

やっとの事で自分の名前を言うと
「お待ちください」
と鼻先でドアを閉められた。

そのうち、ドタバタと中で動く気配がして
ガチャガチャとチェーンをはずす音がした。

「夢」

着崩れたパジャマと、ぼさぼさの髪。
少し伸びたひげと、初めて見るメガネだった。

「・・・・」
「来てくれたんだ」

やっとのことで弱く笑う篠塚さんに
私はなんて言ったらいいんだろう。

そんな私たちの微妙な空気を断ち切るように
さっきの女の子が
「篠塚さん、寝ていないとだめですよ。
おかゆは作っておきましたから。後で食べてくださいね。
テーブルに風邪薬を置いておきました。
食後に飲んでください。ポカリも飲んでくださいね。
では失礼します」

そう言って帰って行った。

何?あれ?

「ごめん。立ってるの辛いんだ。入る?」
「あ。ごめんなさい。寝てっ」

靴を脱いで篠塚さんをベッドまで引っ張って連れていく。

さっき買った薬。いらなかったな・・・

ぼーっとそんなことを考えていたら
篠塚さんが言った言葉が耳に入らなかった。




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