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浦和ミュージックホール
【その他 官能小説】

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インタビュー ウィズ いずみ-1

 「再デビューが決まったんだってね、おめでとう」
 「ありがとうございます、今度はコケない様に頑張ります」
 嬉しそうに笑うが、俺としてはいずみが踊り子を辞めると言うのは残念だ、みどりの後継者として頑張ってもらいたいところだが、当のみどりも全面的に応援していると言うのだからここは気持ち良く送り出してやらなければ。
 「本当に歌、上手いよね」
 「そう言っていただけると本当に嬉しいです」
 いずみの歌はストリップ小屋の観客も唸らせるほど、きっかけさえ掴めればスターダムにのし上がるポテンシャルは充分にあると思う、俺に何か出来ることがあればしてやりたい気持ちであることも確かだ。

 「踊り子になろうと思ったのはどういう経緯なのかな?みどりに弟子入り志願したと言うのは知ってるけど」
 「ええ、最初の歌手デビューの頃の話は?」
 「いや、直接聞きたいと思ったからみどりには敢えて詳しく聞いてないんだ、良かったら聞かせてくれる?」
 「ええ、何も隠す事はありませんから」
 「歌は小さい頃から?」
 「ええ、お祖母ちゃんが演歌好きで、その影響・・・って言うか、私が歌うと凄く喜んでくれたんです、だから一生懸命練習して」
 「お祖母ちゃんっ子だったんだ」
 「あの・・・お祖母ちゃんに育ててもらったんです」
 「ご両親は・・・」
 「まだ私が小さい頃に離婚して・・・母親に引き取られたんですけど、その母親も『仕事が見つかった、最初が肝心だからしばらく預かって欲しい』って祖母に預けて、そのまま・・・」
 「仕事ってなんだったんだろう?」
 「わかりません、祖母も聞いていないようで・・・察しはついていたみたいなんですけど教えてはくれませんでした」
 「お母さんとはそれっきり?」
 「それっきりです、正直なところ、両親にはあまりいい思い出ってないんです、いがみ合ってることも多くて・・・愛されていなかったとは思わないんですが、私がいることが両親のどちらにも重荷なんだって感じてましたから・・・」
 「積極的には聞かなかったんだ」
 「そうですね・・・お祖母ちゃんはいつも一緒にいてくれましたから、むしろほっとしてたような・・・お祖母ちゃんが良く聴いたり歌ったりしていた歌を憶えて歌うと『上手だねぇ』って褒めてくれて、それが嬉しくてたくさん憶えて練習して・・・」
 「おばあちゃんを喜ばせたかったんだ」
 「ええ・・・それに、もしお祖母ちゃんに嫌われたらひとりぼっちになる・・・そんな気持ちもあった様に思います」
 「だけど、小さいうちならともかくある程度大きくなるとポップスとかに行かない?」
 「ええ、ポップスも好きですよ、でも自分で歌うとどこか演歌っぽくなって・・・もし歌で生きて行くなら演歌だとはその頃から思っていました」


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