み-5
「私も駿の話してくれた印象と違うからびっくりしてる」
「お前、篠塚さんに・・・・惚れられてるんだなぁ」
しみじみとそんな風に言わないでほしい。
「何それ」
「いや、人の好みってそれぞれだなぁ、と思って」
「駿!!」
「ごめん、まぁ、上手くやれよ。
あの人は仕事に厳しいけど、あの容姿だ。女の子には人気あるからな。
夢が気に入ってるなら離すなよ」
「大きなお世話」
そう言って電話を切った。
女の子に人気があるのは、この前の飲み会の席でもよくわかった。
仕事には厳しいかもしれないけど
基本的には優しい人なんだと思う。
だから女の子はほっとかない。
本気じゃないといった私を
本気で抱いた男。
私は篠塚さんに対して、今自分がどんな気持ちなのか
整理がつかなかった。
明らかに、会社とは違う顔で、私のことを最優先に考えてくれているのが分かる。
彼が本気で私を好きになってくれているのが分かる。
じゃぁ、私は?