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夢を見るころ
【女性向け 官能小説】

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お互いに無言の空気の中で
ゆっくりとつながれている手が
「逃げるな」と私を離さない。

決して近づいて座っている訳ではないのに。
手だけがお互いの接点なのに。
それでも篠塚さんが私を逃がさない気持ちが伝わってくる。

そんなに遠くない時間走ったタクシーを降りて
マンションに入り
部屋の階でエレベーターを降りた。

高層マンションのそこは
まだ寒い風がヒュンと吹いて
一瞬、酔いから覚まさせる。

少し肩をすくめて身震いをした私を見て
強引に部屋に入れた後
鍵を掛けるか掛けないかで、私を抱きしめた。

「ゆめ」

切なく呼ぶその声が、私の耳に届くが早いか
私の顎を持ち上げてキスを繰り返した。

「しのつか・・・さっ」

トップスをパンツから引き抜いて
暖かい大きな手が無遠慮に私の上半身をはい回った。

「ここっ・・げんか・・ん」

靴も脱がない状態で
篠塚さんはブラをはずす。

急に緩くなった胸の感覚が
次の瞬間、大きな手で優しくもみしだかれた。

「あ・・・」
「ゆめ」
「しのつかさっ、ここっ玄関っ」

やっとのことでそういえば
少し落ち着いた篠塚さんが
1回ゆっくりと濃厚なキスをした後

「ベッドへ行こうか」

そう笑った。




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