香織-5
結局、その日、僕はイク事ができず、香織の意識が戻るのを待って、ホテルを後にした。
香織は、自分が失神したことを恥じて、僕がイカなかったことに申し訳ないと思い、その後に居酒屋で乾杯した時もそればかりを気にしていた。
「私じゃ、満足できなかった?」
「そんなことはないよ」
「でも、イカなかったでしょう?」
「まあね」
「なぜ、あんないじわるしたの?」
「香織が可愛かったから、少し苛めてやろうかと思って」
「凄く辛かったよ!」
「ごめんね」
「他の人にも同じようなことするの?」
「そんなこと無いよ」
これが、うんざりする。
僕の何人かいるセックスフレンドは、皆、自分以外の女の存在を察知しているが、決して口にすることはない。
だから、香織のような女とは長続きできないのだ。
まして、香織は僕の今務めている会社の取引先の事務員で、先月の「謝恩パーティ」で意気投合して、そのままセックスしてしまった。
まあ、僕も若いからそんなこともある。
それ以来、毎日のようにメールが来て辟易していたのだが、同じ過ちを繰り返してしまったことを後悔し、乾杯のビールがなおさら苦く感じた。
居酒屋で、香織は今パンティを穿いていない。