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夢を見るころ
【女性向け 官能小説】

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今思い出してもイライラ来る。
駿のやつ・・・
なんであんな奴を私に紹介したんだろう。

仕返しに当分、花の近くには寄せ付けないからっ!

不規則な仕事でここ数年男とは付き合っていない。
大学時代から付き合っていた男には
あまりのすれ違いに浮気された。

この業界で会う男は
向こうも不規則で、到底付き合うまでなんか親しくなれない。

あんな自分勝手な条件を出したのに
篠塚さんは最後まで笑ってすべてに「いいよ」と言い続けた。
変な人。

でも、こちらの電話番号もメアドも知ってるくせに
一切連絡がないのは私の条件を飲んでいるんだろう。

「メールは返事しないよって言ったけど。
しないでとは言わなかったのに」

そんな独り言に、そばにいたが先輩が
「何か言ったぁ〜?」
と、こっちを向いた。
お互いにもう3日、会社に泊まり込んでる。
会社の近所のスーパー銭湯は常連だ。

「いえ。何でもないです」
「今日はもう帰ろうか?」
「え?」

先輩の提案にびっくりしたけど
こんな生活まともじゃないよね。
「発注も落ち着いたし、今日は帰って元気を養って
また明日から頑張った方が効率がいいよ」
「い、いいんですか?」

髪を束ねて、落ちかかった口紅で
外の空気をもう何十時間も吸っていない。




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