植物園にて-8
赤の民は男性も女性も淡白だ。
暑い地域で、出来るだけ体力を消耗しないように進化したのだろうが、他の民に言わせれば退化らしい。
淡白だからと言って、性欲が無い訳ではないのだが不感症気味ではある。
身体に火が着くまで時間がかかるのだ。
だからキアノは丹念に丹念にヴェルメに愛撫を施し、彼女の身体にゆっくりと炎を灯す。
「ふ ぁ」
ヴェルメが薄く目を開けてキアノを見ると、彼の目は目まぐるしく色が変わっていた。
いつもは緑色の目が、青、紫、赤、黄色……と凄い速さで明滅している。
「私は 良いから」
「ダメです」
無茶苦茶発情して理性がキレそうなくせにキアノは愛撫を止めない。
変な所で頑固なキアノがいとおしい。
「 ぁ 」
そう思った瞬間、ヴェルメの子宮がキュンと鳴った。
キアノは喉の奥でこっそり笑い、ヴェルメのベルトに手をかける。
カチャカチャと音を立ててベルトが外されるとマイクロパンツがすとんと落ちた。
現れた白い下着は総レースで、褐色の肌が良く映える。
キアノは手触りの良い下着の上からヴェルメの割れ目を刺激しつつ、赤い蜥蜴の尻尾の根元も愛撫し、口を使ってビキニを下ろして露になった茶色い乳首を口に含んだ。
「ぅ ぁはぁあ」
ヴェルメの口から漏れた熱っぽい溜め息にキアノは気を良くして、愛撫を強くしていく。
次第に下着の中から水っぽい音が響き、音が鳴る度に褐色の肌の上を赤い鱗が走った。
「ん ぁ キ……アノ」
ヴェルメが手をキアノの両頬に添え、くいっと上を向かせる。
ヴェルメの潤んだ赤い目と、目まぐるしく色が変わるキアノの視線が絡まり、自然と口づけを交わした。
「ふ ぅ んっ」
熱い口づけを交わしながらキアノはごそごそとズボンを脱ぐ。
片足だけ抜いてヴェルメの下着をずらし、猛り狂った肉棒をぐりぐりと押し付けた。
しかし、挿入まではせずににちゃにちゃと音を楽しむだけ。
「んっ キァノ っ早く」
もう充分だから、とヴェルメは腰を揺らめかせて挿入を促した。
いつもクールでぶっきらぼうな彼女が、少し涙目で懇願してくる表情が大好きだ。
だから、キアノはどんなに発情していてもヴェルメを焦らす。