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悪徳の性へ 
【学園物 官能小説】

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〜 校庭 〜-2

 8号教官。 服装からしていかにも運動能力が高そうな印象を受ける。 背も高く、おそらく170cmより少し超えるくらいあって、私たちの誰よりも大きい。 腰まで届きそうな髪を一纏めにくくって、ポニーテール風に垂らしているので、隆々としたサラブレットを連想させる。
 手にした乗馬鞭。 ヘラが先端に付属し、短い中にも撓りがつよく、うまく当てれば傷をつけずに強烈な刺激を与える道具だ。 

 ピシピシ。 手にした乗馬鞭を弄びながら、

「これで全部かしら? そこの貴方、答えてくれる?」

 最初に到着したからだろう。 鞭の先で私に水を向ける。

「ハイ! インチツの奥で理解します! これで全員です!」

「あ〜、そういうの、あんまり好きじゃないのよ。 バカっぽいし、さっぱり意味がわからないし」

「え、あ……申し訳ありません。 あの、インチツの壁から謝罪します」

 戸惑う私。 さっきまで私たちに君臨していた2号教官からは、挨拶の中に『必ず自分の持ち物を入れて誠意を見せなさい』と指導された。 しかも『おまんこ』やら『膣』なぞを口にすると『生意気だ』と打擲を受けたので、訳も分からず『インチツ』と言いながらここまできた。
 もしかして、あれは2号教官の好みだったのだろうか? 教官ごとに使う言葉は違うのか?

 オロオロする私に、8号教官がクスリと苦笑する。

「だぁから。 返事は普通に『ハイ』でいいし、謝るなら『スミマセン』で十分よ。 ただし指導を受けたあとは『ありがとうございます』を忘れないでね」

「は、ハイ。 ありがとうございます」

 もしかして8号教官は2号教官とくらべ、マトモなのでは――そんな淡い期待を持った矢先。 
 教官がニッコリほほ笑んだ。

「声が小さい♪」
 
 ビシイッ!

「うぎッ……!」

 私の胸元に短鞭が弾けた。 右の乳首を根本から抉るような、寸分違わぬ一撃。
 とんでもない衝撃だった。 電撃に打たれたように、乳首を中心に乳房、そして全身に痛みが走る。 あまりに痛すぎて他の感覚が飛んでいく。

「指導を受けたらど〜いうの?」

 突然の事態に対応できず、息を荒げる私。 そんな私を覗き込むようにして、ニコニコしながら教官がふたたび短鞭をふるった。 

 ビシ、バシィッ!

 さっきと全く同じ右乳首に、今度は往復で破裂する。 半ば頭が白くなりながら必死に叫んだ。

「ひっ、ぎっ……あ、ありがとうございます!」

「そうそう。 それくらいの声なら、何とか聞こえるわ。 最近耳が遠くなっちゃってね。ごめんねえ」

「失礼しました! ありがとうございます!」

 めいいっぱい、お腹の底から大きな声で私は応える。
 
 一瞬でも8号教官に良識を期待した自分がマヌケすぎだ。 そんなわけあるか。
 8号教官が私たちに求めるものは、おそらくは『大きな声』に代表される『元気さ』だ。 何をされても『ありがとうございます』と大きな声で感謝できる、そういう無意味な姿勢は、人間の尊厳とは対極にあると思う。 だからこそ、絶対服従の証として、学園には相応しいのかもしれない。

「じゃ、改めて教えて。 ここにいない10人は、別のところで指導中ってことでいいのね?」

「ハイ! 7名は教室で、残り3名は別室で指導いただいています!」

 とにかく大声を張りあげると、8号教官はウンウンと頷いてくれた。
 どうやらこの方向性で合っているらしい。 


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