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僕と私
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少年-2

あの日から少年とシエの関係は激変した。


少年はシエに対して異常なほどの執着心を見せるようになった。


それはまるで姉弟のようで恋人のようで親子のようだった。


朝起きてから夜寝るまで、仕事以外の時間を一緒に過ごしていた。


その様子は第三者に不審に映ったようで、シエが少年の監視下に置かれており脅されて


軟禁状態だと職場の人が警察に話し、事情聴取された事もあった。


しかしシエは既に少年には情が湧いていたので突き放すことがどうしても出来なかった。


少年は毎晩シエとの関係を強要し、その時必ず同じ言葉を口にした。







「第三の儀式」






本来の少年らしさはいつの間にか抜け落ちていて、何かに憑りつかれたかのような様子だった。


シエは少年が恐ろしくなっていった。


瞳孔の開いたままのような瞳、目の下のクマ、こけた頬、伸ばしっぱなしになった黒い髪


やがて桜の身が心配になり、シエは少年に家を出るように促した。


関係性は何ら変わらないからと何度も念押しして。


はじめ少年は断固拒否していたが高認試験に受かり、大学を目指す為に予備校に通い始めたころ


家を出て行く事をあっさり了承した。


少年はシエに「代わりを見つけたから」と言って出て行った。


それ以降少年は音信不通となった。






身よりの無いシエにとってその少年との時間はとても温かいものだった。


寂しい終わり方をしてしまったけれど、そんな事はシエには関係なかった。


その後、シエはある男性と出会い結婚し2人目の子供を産んだ。


その子供には少年と同じ名前をつけた。







「司」



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