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「すき?」
【学園物 官能小説】

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「すき?」〜BEAUTIFUL HOLIDAY〜-3

それでもへーたは、「亜由、疲れてないか?」「腹減ったか?」と、何かと私を気にかけてくれた。苦手と言っていたジェットコースターにも付き合ってくれたし。
付き合う前から、へーたは気さくで頼りになる兄ちゃん、って思ってた。
付き合ってからはもっと私の中で大切な存在になった。
へーたは、とても私を気遣ってくれる。大切にしてくれてる。そして何より、温かいものをくれる。・・・たまに説教臭いけど。へーたの手は、とても大きくて私を包んでくれて、幸せな気持ちになる。
私も、へーたがくれる温かいものを私にくれるように、私もへーたにお返ししたい。
こんな気持ちが、「好き」とか、「愛」という感情なら、私はへーたに惚れてるんだろうな・・・。
私は、そんな事を考えながら、口元がにやけている事に気づいた。
私が今できる事。せめて、へーたが起きる前に、朝食作ってあげよう。
そう決めると、私はキッチンへ向かった。
朝食、と言ってもメニューは簡単。目玉焼きと、カリカリベーコン。余ったベーコンをチーズをのせた食パンの上にのせ、トースターへ放り込む。そうそう、コーヒーメーカーも、スイッチを入れなきゃ。確か、へーたは砂糖ミルクなしのブラックだっけ。私はこんな苦いの飲めない。やっぱへーたは大人だなぁ〜。
本当は、私は朝は和食党で、ゴハンに味噌汁派なのだが、昨日見た夢が後を引いていた。
ジャムおじさんに、『アルプスの少女ハイジ』に出てきた白パンを焼いてもらって、ヤギ飼いの少年ペーターに扮したへーたと一緒に食べる夢を見た。
私のママが、『アルプスの少女ハイジ』が大好きで、うちにビデオ全巻が揃っている。
私は幼い頃、それを見ながら育ったので、あのアニメに出ていた白パンやヤギのチーズに憧れていた。・・・同世代の友達に言っても理解してもらえないんだけど。それを、あのパン職人のジャムおじさんに白パンを焼いてもらったのだ!とても幸せだったなぁ・・・。白パン・・・
夢の映像を思い出しながら、「ぷっ」と笑いが込み上げてきた。
付き合い始めの時に、「へーたの事、なんて呼べばいい?」と言ったら、へーたは「好きに呼んでいいよ」と言ってくれた。なので、「じゃあ、ペーター!」と言ったら、へーたに速攻却下された。・・・好きに呼んでいいって言ったくせに。適当な愛称が思い浮かばなかったので、結局今はへーたの事をへーた、と呼んでいるのだけれども、「好きに呼んでいい」って言ったくせに私がつけた愛称を却下したへーたへの反抗心から、私は、手帳に書き込む時や、ケータイの登録には、へーたの事を「ペーター」という愛称を使っていた。へーたには絶対内緒。
・・・きっとそんな気持ちから、今日の夢の中で、へーたはペーターのカッコをしていたんだろうな。夢って、深層心理が出るってほんとだわ。私はそんな事を考えながら一人でくすくす笑った。

出来上がった、チーズトーストと目玉焼き&カリカリベーコンをお皿に乗せ、テーブルの上に置いた。コーヒーは、へーたが起きてからでいいかな?
支度はできた。
ふぅ、と一息つくと、私はへーたを起こしに行く事にした。
「へーた、へーちゃん。ご飯作ったよ。食べる?」
私は優しくへーたを揺らしながら声をかけた。
すると、へーたは、もぞもぞとしながら少し目を開けた。
「うーん・・・チュウしてくれたら起きる・・・」
・・・寝ぼけているのか?
あたしが躊躇していると、へーたは、また目を閉じた。
・・・もう。
私は顔が赤くなっている事を自覚しながら、へーたの顔に近づけ、そっと唇を重ねた。
すると、へーたの舌が私の口内に侵入してきた。ビックリした私は飛びのけそうになったが、へーたは腕を私の背中に回し、そのまま力任せにベットに私を引きずり込んだ。
「もう!起きてたの?」
へーたの顔が離れると、恨めしげにへーたを見つめた。
「いやぁ、本当にチュウしてくれたから嬉しくて。目が覚めた。」
へーたは意地悪そうな笑みを浮かべると、自分の下に私を組み敷き、手を私のTシャツの中に滑り込ませてきた。シャワーを浴びて、なんとなくつける気になれなかったので、私はノーブラだった。直にへーたの手の感触が伝わる。へーたは手馴れた手つきで私の胸の突起を見つけるとそれを刺激しながら胸を捏ね回してきた。


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