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「すき?」
【学園物 官能小説】

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「すき?」〜BEAUTIFUL HOLIDAY〜-2

正直、俺の手の中で閉じ込めてしまいたいと思う。
しかし、それはできない。そんな事をすると、亜由が亜由でなくなってしまう。
亜由は、自分で決めた道にはがむしゃらに突き進む。自分の気持ちにまっすぐなのだ。その時、苦労しようが、辛い思いをしようががむしゃらに。思い悩みながらも、突き進む彼女はとても美しい。俺は、そんなまっすぐな彼女に惚れたんだ。
彼女は、まだ蕾だ。蕾のままでもこんなにも美しいのに、これからどんな花を咲かせるのか。
それを見つめていたいし、見届けたい。
俺は、亜由を見守る事しかできない。
亜由が、迷ったり悩んだりしている時に、手を差し伸べる事はできるのではないか。
その時に、亜由が離れていったら寂しいけれど・・・
・・・今からそんな事まで心配しても、しょうがないか。

俺はそんな事を考えながら、短くなったタバコを灰皿に押し付けた。そして半分近く残っているビールを流しに捨てた。
クローゼットから客用の毛布を取り出し、亜由の隣りに横たわった。
亜由は、相変わらず良く寝ている。・・・寝返りもせずに、本当よく寝てる。
俺は、無邪気な顔をして寝ている亜由の髪をなでながら再び眠りに就いた。



−−−朝。

目を開けると、見慣れないクリーム色の壁が目に入った。
・・・ここはどこ?
寝ぼけた頭のまま、寝返りを打つ。くるりと180度回転すると、へーたの顔があった。
しかもどアップで。
私はビックリして目が覚め、起き上がる。
ブラインドから、かなり高い位置に登った太陽から注ぐ日差しがこぼれている。
あ、そうだ。昨日は、遊園地に行って、へーの家に泊まったんだっけ。・・・お母さんには、友達の美紀と遊ぶ、と言って。
春休みのせいか、遊園地は、すごい込んでたっけ。
ボーっとそんな事を考えながら何気なく下を見ると、私は毛布以外、何も身に付けていないようだ。急に恥ずかしくなる。
へーたと付き合い始めて何回かへーたの家に行くようになり、お泊りは今日で3回目。当然のように体を重ねるようになったけど、やっぱりこんな朝は照れる。
ふと、へーたを見ると、へーたはスウェットを着こんで見慣れない毛布に包まって寝ていた。
・・・自分ばっかり着替えてずるい。こっちは裸で起きてこんなに恥ずかしい思いをしてるのに。
恨めしげにへーたを見つめながら、シャワーを借りる事にした。起こさないように、そーっとベットを出る。振り返るとへーたはスヤスヤ寝息を立てて寝ていた。・・・可愛い。そっとへーたのおでこにキスをし、シャワールームへ向かった。

シャワーを出ると、へーたの家に置きっ放しにしているTシャツと単パンという部屋着に着替えた。
頭に巻きつけたタオルで髪を拭きながら、へーたの方を見る。へーたは、まだ寝ているようだ。
近くによって、へーたの寝顔を観察してみた。
ぐっすり寝ている。寝顔は、子供のようで可愛い。まじまじと、へーたを観察してみる。
浅黒い健康的な日に焼けたの肌。意外と堀の深い顔立ち。くっきりとした二重。
へーたは、意外と学校で人気がある。私の友達も、「数学の北沢、よくない?」とか言ってたし。
・・・確かにかっこいいかも。でも、付き合ってからのほうが、もっとカッコよく見えるのはなぜだろう?
へーたは、そんな私の思いなど当然察せず、くっきりとした二重瞼をしっかり閉じて寝息を立てていた。
・・・そういえば、昨日はずっと車を運転してくれていたんだっけ。


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