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ヌードモデルは堕落のはじまり
【調教 官能小説】

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陥落の夜-1

 カラオケ店を出たところで、早紀は自分が裸であることに気付き、あわててコートを羽織った。ピンクベージュのコートはショート丈で、かろうじてお尻は隠れているが、少し屈んだり風が吹いただけで丸見えになってしまうだろう。

 早紀はコートがめくれないように前と後ろを手で押さえて、さらに走った。駅まで来てようやく足を止め、荒い息を整える。背後を見たが佐伯くんたちは追ってきていないようだ。髪から足まで全身にかけられた尿は乾きはじめ、べたべたして不快だった。
 前を通るひとたちは、ぎょっとした顔で早紀を二度見していく。
「なにあの子。なんか臭いんだけど」
「きたねえなあ」
 早紀と同じぐらいの年ごろのカップルが笑いながら通り過ぎた。
「あそこに立ってる女の子、かわいいけどホームレスなのかな?」
 サラリーマンとOLのグループも早紀の噂話をしている。
「寒そー。もしかしてコートのなか、なにも着てないんじゃない?」
「いや、ショートパンツかミニスカを穿いてるんだろ。なにも着てないって、それじゃ変態じゃん」

 バッグをカラオケの部屋に置いてきたので、一円も持っていない。家の鍵もない。逃げてきたものの、これからどうすればいいんだろう。
 真っ暗な空から雪がちらちらと降りはじめた。コートしか着ていないからだが寒い。手をポケットに入れて、そこになにか入っていることに気付いた。――スマートフォンだ。佐伯くんからの呼び出しの電話に出たあと、スマートフォンをバッグではなくコートのポケットに入れたらしい。
 とにかく、これでだれかに来てもらうことができる。でも、だれに? この状態を説明できる相手なんかいるだろうか。ヌードモデルのことも、カラオケで犯されそうになったことも、友だちや親には恥ずかしくて言えない。

 そのとき、スマートフォンが鳴った。早紀はびくっと跳ね、手もとを見る。そこには知らない番号が表示されていた。さっきのメンバーのうちのだれかかもしれない。
 しばらく躊躇してから、早紀は電話に出た。
「……もしもし」
「木村だ」
 キモ豚――。
「虫の知らせというか、急にお前のことが心配になったから、京佳先生にお前の携帯番号教えてもらって電話をかけた。ザーメンまみれのまま飛び出したが、ちゃんと家に帰れたか?」
「先生……」
 早紀の両目から、ぶわっと涙があふれた。
「どうしたんだお前、泣いてるのか? なにがあった?」
 早紀はなにも言えず、ただひっくひっくと嗚咽を洩らした。
「いまはどこだ? 迎えに行くから待ってろ」


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