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ヌードモデルは堕落のはじまり
【調教 官能小説】

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はじめてのヌードモデル-3

「……京佳先生、よってたかって虐めてるみたいで気が引けるから、今回はこれで許してあげようよ」
 最年長だと思われる男がおっとりと提案した。
「その代わり、次回頑張ってくれればいいからさ」
「うーん、残念だけど、マツさんがそう言うのなら……」
 べつの男もしぶしぶ同意する。
「泣かせちゃってなんだかこっちが悪人みたいだもんなあ。この状態で脱がせても後味が悪いや」
「まあ、愉しみはつぎに残しておいたほうがいいか」
「次回はうんと大胆なポーズをお願いしよう」

 京佳先生が早紀の横に立った。
「よかったわね。やさしいみなさんが今日はここまででいいっておっしゃってるわ。さあ、立って」
 京佳先生は早紀の腕に触れ、立ち上がらせる。
「脱ぐまでにずいぶん時間経っちゃったわ。早くデッサンをはじめなきゃ。そうねえ、ポーズは……腕を頭の後ろで組みましょうか」

 早紀は鼻をすすり、涙をぬぐうと、京佳先生に言われたとおり両腕を頭の後ろで組んだ。自然と胸を突き出すようなポーズになる。弾力のある乳房が弾んだ。ごくり、とだれかの唾を呑む音。
「床を見つめていないで正面を見て。表情がかたいわよ。ほら、自然な笑顔!」
 早紀は指示に従って顔を上げ、口角をむりやり上げた。じっとりと自分の肌をねめまわすたくさんの眼を、意識しないように努める。

 さらさらと鉛筆を走らせる音が響きはじめ、やがて教室を満たした。
 ――そうだ、あたしはエッチなことをさせられているんじゃなくて、芸術を学ぶひとたちのために頑張っているんだ。早紀は気を取り直した。ちらりと壁掛けの時計に視線を走らせる。すでに二十分近く経過していた。授業時間は六十分。もう三分の一が経過したことになる。すごく恥ずかしいけど、でも、このポーズをとっていればそのうち終わる。

「そろそろポーズを変更しましょうか」
 頭の後ろに上げている腕が痛くなってきたところで、京佳先生がそう告げた。
 助かった、と思い、早紀は姿勢をらくにする。
「みなさん、リクエストはあります?」
 京佳先生が男たちに訊ねる。
「四つん這い!」と男のひとりがすばやく応えた。

 ――えっ、四つん這い?
 早紀の顔色がさっと青くなった。

「桃井さん、聞こえたでしょ? さあ、四つん這いになりましょう。獣みたいに手を床について」
 早紀はよろよろとしゃがみ、言われたとおりの姿勢をとった。ショーツの薄い布に包まれた股間に、背後にいる男たちの視線が刺さっているのがわかる。

「駄目よ、そんな中途半端なポーズじゃ。そのかわいいお尻を後ろにいる生徒さんたちに向かってぐいっとつき出しなさい」
 早紀は涙ぐみながら、お尻を高く上げる。
「おお、ぷっくりとした土手のかたちがよくわかる」
「お尻の穴の場所もバレバレだ」
「あの細い腰を掴んで、おれのをぐいっと奥まで突っ込みたいなあ」
「まだ濡れてないね。前のモデルさんはすぐに濡れ濡れになったのに」
「今日はがちがちに緊張しているからな。そのうちぐしょぐしょに濡れるようになるだろう」
 背後の男たちの卑猥な言葉に聞こえていないふりをして、早紀はその姿勢を続けた。お願い、早く終わって――。


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