抱-8
「いしじま・・・さっ」
指が私の中でうねった。
いやらしい水音が静かなホテルの部屋の中でこだまする。
石島さんが待ちきれないようにゴムを付けて
私の中に入ってくる。
ゆっくりした動きの中で
私たちは手を絡めあった。
「はぁ・・・ぁぁ」
首筋をなめられて耳たぶが石島さんの吐息を感じ取る。
石島さんも息が荒い・・・
その荒い息に、さらにきゅんと心が感じた。
あ・・・・
何か違う。
いつもと違う。
そう感じたのに。それを冷静に考えることが怖くて。
それがなんなのか、考えることがこわかっった。
「あっっ・・・ぁっ」
奥から来る波にそのまま乗ってしまうのが怖い。
無理やり意識を目の前の石島さんに集中させた。
徐々に早くなる律動にさらに意識を持っていかれそうになる。
そんな自分の意識を保つのがやっとで身体が震える。
やがて石島さんが私の名前を呼びながら抱きしめた。
「ごめ・・・ん。俺、先にイっちゃった?」
荒い息のままそう聞く石島さんに
小さくうなづく事しかできなかった。