も-2
「じゃぁ、とりあえず俺をもう少し知ってもらって。
安全だと思ったら、セックスしよう」
「・・・・」
「松元さん、イきたいんだろ?」
「はい。経験はしてみたいです」
「俺が、イかせてやるよ」
この言葉をどこまで信じていいのやら。
お互いにかなりお酒は入っている。
顔見知り程度だと言っても
サークルで一緒だったから、お互いの事は少しは分かってるつもりだ。
いつも。綺麗な女の子と一緒にいて
カッコ良かったのを覚えている。
「さっき言ったように彼女はいない。綺麗な身辺だよ」
おどけて両手をあげて見せる。
それを言うなら私だって綺麗な身辺だけど。
「逆に彼女がいないって怪しいです」
「あっはっは。それを疑うんだ?忙しいんだよ。仕事が
女の子をマメにかまってあげる時間があんまりないんだ」
それでも、きっと今でも会社でモテるに違いない、石島さんと
彼氏彼女ごっこが出来るなら
一人でいるよりよっぽど良いかも。
そんな風に思う私もきっと酔ってるんだろう。
じっと手の中の名刺を見つめて
「本当に、イかせてくれますか?」
意地悪く笑った私を見て
石島さんも意地悪く笑う。
「もちろん」
その根拠はなんなのか?
確かめてみたくなったって、良いじゃない。
こんな良い男なら誰だってOKしてしまいそうだ。