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心も抱きしめて
【女性向け 官能小説】

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「じゃぁ・・・お願いします」

そう言った私の手を引き寄せて肩を抱いた。

「由香里って呼んでいい?」

耳元でそっとささやかれたその声が心地よくて
喉の奥で小さく返事をした。

「セックスだけの関係は嫌だな」

相変わらず耳元で話し続ける石島さんを見て
美香が苦笑いをしている。

「心がないとお互いに気持ち良くなれないと思うけどどう?」

うん。私もそう思う。
いくらセックスが上手い男でも
それだけの関係じゃ、気持ち良くなれないと思う。

「私もそう思います」

肩を抱いていた手で髪を撫で始めた。

「じゃぁ、由香里は今日から俺の彼女ね」

石島さんの彼女・・・・
大学時代、何人の女の子がこの位置を欲しがったんだろう。

「由香里は仕事は忙しい?」
「忙しいです」
「ん。俺も。平日はあんまり会えないかも」
「あ。私もです」

やりがいのある仕事は、この年齢になって段々重要な仕事を
任されるようになって、帰りも遅い。

2年前に別れた男は私の仕事へののめり具合に文句を言った。

「私、彼女らしいことはしてあげられません」
「うん。俺も同じ」

「石島さんの帰りをご飯を作って待ってるとか出来ません」
「うん。俺も記念日は覚えてられない」




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