大佐の舘-3
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しおりさんは東北の貧しい小作農家の娘だったらしい。貧しさゆえ身売りをされ帝都の遊郭街で奉公をしていたようだ。そこへ遊郭に遊びに来ていた岩佐に気にいられ身請けという形で岩佐邸に引き取られ下女のみつさんに指導を受けながら岩佐邸の奉公人になったのだ。岩佐の趣味なのか岩佐邸が洋館だから合わせたのか、しおりさんは毎日、白と黒のメイド服を着せられていた。綺麗なぱっちりした瞳が美しい黒髪の美少女。白と黒のメイド服がさらに彼女の可愛さを引き立てていた。
ボクはここに来てすぐ美少女しおりさんのメイド服姿に萌えてしまい彼女に恋をしてしまった。美少女にメイド服を着せる....。岩佐の趣味てか演出が敵なのにあっぱれだ。岩佐は下女みつさんには普通に着物姿で奉公させているし、絶対やつは、彼女にメイド服を着させて奉公させている。
舘の長い廊下でしおりさんとすれ違うだけでボクはドキドキする。ぱちぱちした大きな瞳ではずかしがるようにボクを見つめ、軽く会釈をする彼女。
-俊さん、とか俊様-とボクをさんか様と呼んでくれ、しかも丁寧な敬語。もう話し掛けられただけでドキドキしていた。