4. Speak Low-5
「そんなっ……」
要求を聞いて絶望的な表情を浮かべた悦子だったが、平松がまたショーツの上へ顔を埋めようとするのを見て、急いて胸を喘がせて、「……、わ、わたしの……、おまんこ、指でいじって……く、くださ……」
言っている途中から、仕事中に何と言うことを言っているんだという自戒に胸が絞めあげられて苦しかった。その言葉を聞いた平松はまた悦子を嗤って、
「やっぱり、オマンコをイジるのが好きなんですね、権藤チーフって」
と言ってショーツをズラすと、顔を出した秘門の狭間を指先でなぞってきて、その程度の触れ方であってもネチッと淫らな音が立った。
「ち、ちがう……」
「ちがわないでしょ? クリトリスをペロペロされてこんなに濡らして。何でしたっけ? 仕事中にイヤラしいこと考えるな、とか怒ってらっしゃいましたっけ?」
「ううっ……」
指先が狭間に少しだけ入って、漏れでている襞の両側を蜜を塗りこみ弾くように弄び続ける。平松に言われるままに、淫らな言葉で願い出たのに、指はなかなか入ってきてくれない。
「ほら、オマンコいじり、好きだって認めたら即イキさせてあげますよ?」
煽るように門が広げられ晒された肉襞を指先でチロチロと弾かれた。玩具のように戯れられる屈辱に叫び出したいが、抗ってその指を耐え続けることなど到底できなかった。
「すきっ……、すきだって認めるからっ……」
「オマンコいじり、ですか?」
「ううっ……、そ、そう……。オ、オマンコ……、いじり……」
悦子が涙を溢して言った時、じゅぶっという感触とともにいきなり二本の指が悦子の体内を抉りこんできた。
「う、うああっ……」
思わずはしたない声を上げた悦子は、いきなりの二本の圧迫をもっと段階的にしてもらいたくて平松の手首を握って差し戻そうとしたが、次の瞬間、平松が中で指を曲げて更に強く壁を擦ってくると長い間焦らされてきた秘壺はひとたまりもなく、高い声を上げて指を絞り上げ絶頂に達してしまった。平松がじっと見守る中、椅子の上にぐったりと身をしなだれて絶頂の余韻に何度も体を痙攣させる。
「……気持よかったですか?」
平松の問いにもまだ呼吸と鼓動が落ち着かず満足な返事を返すことができない。「当然、……、1回じゃ満足できませんよね?」
その言葉が聞こえたかと思うと、挿れっぱなしだった指がまた動き始めた。
「うあっ、ちょっ……」
手で抑えようとしても、瞬間的に下腹から広がる新たな愉楽に力が出ない。
「ほら、すごい音っ……。聞こえます?」
わざと指を広げ角度をつけて掻き回されて、スカートを捲りストッキングを引き裂かれた中心から、平松と襞壁に撥ねる淫らな水音が立つ。
「……ああっ、……ダ、ダメ、……ちょ、……」
声が出ずに何の静止もできないままに、先ほどよりも更に高い絶頂がやってきて体が椅子の上で暴れ回るのを平松に抑えつけられた。あまりの性楽に頭の中が白んで意識が飛びそうになったが、まだ体内に入っている指が内部を細かに摩ることで、それすら平松は許してくれなかった。
「もちろん、もっとしますよね?」
「も、ちょっと……、や、……許して」
立て続けに二度も絶頂を味わされて怖くなる。
「じゃあ、おしゃぶりにしますか?」
先ほど留保した要求が再び向けられてくる。悦子は痺れる頭の中で、この指がまた体内を襲ってきたらと思うと、一旦平松の要求に応えることで指での攻めをやめさせることができると思ったから、
「……、す、するから……」
と消え入りそうな声で言った。平松の指が体内を抜け出ていく。ともすれば朦朧としそうになる中、平松の男茎を口に含むにも息を整えなければと回復を待っていた。
何が起こったのかわからなかった。平松が立ち上がる気配があったかと思うと、悦子の天地が逆転していた。平松が悦子の腰を力の限り抱き上げると、まるで物を扱うように体を上下反転させた。背凭れに腰を押し付けるようにしてヒップが真上に向き、首の後ろに椅子の縁が当たって頭が垂れ下がる。
「ちょっ……」
やっとのことで腕を使って身を持ち上げて元に戻ろうとしたが、平松がすぐに床に立膝になって悦子の体を椅子に押し付けると身動きが取れなくなった。視界が暗やむ。目の前には屹立した男茎が逆さに近づいてきていた。
「ううっ……、いやぁっ……!」
顔じゅうに先走り汁でベトベトになった亀頭が擦りつけられてくる。化粧が乱れてしまうのも平松はまったく気にしてくれない。悦子が首を振って男茎の陵辱に抗っていると、
「ほら、チーフ、口開けて。おしゃぶりですよ」
と上方から聞こえてきた。こんな姿で、まるで悦子の尊厳を無視するかのような恰好で男茎を頬張らせようとしてくる。しかも悦子の体を休ませるために受け入れた筈なのに、背凭れに高々と上げられたヒップからW字に脚を広げられると、今度は真上から二本の指が悦子を貫いてきた。
「うああっ……、や、やめて、こ、んな……」
「ほら、オクチあけて?」